院長コラム

11月に入りました。高校1年生相当の女子は、「令和3年度子宮頚がん予防ワクチン定期接種」の締切り間近です。

子宮頚がんは、悪性度の高いヒトパピローマウイルス(HPV)による感染が、長期間持続することで発生します。その予防としてHPVワクチンが非常に有用であり、無料で接種可能な定期接種に指定されています(9価ワクチンを除く)
当院では、子宮頚がん予防だけでなく、尖圭コンジローマの予防も期待できるHPV4価ワクチン「ガーダシル」を推奨しています。
今回、令和3年度HPVワクチン定期接種の対象者と「ガーダシル」の接種間隔についてお伝えします。

 

HPVワクチン定期接種の対象は「小学校6年生~高校1年生相当の女子」

令和3年度の場合、公費の対象になるのは「平成17年4月2日から平成22年4月1日生まれの女児」です。
高校1年生相当(新型コロナウイルス感染拡大による特別処置の該当者は高校2年生相当)の方は、定期接種が可能な最終学年となります。接種は3回必要ですので、期限にご注意下さい。

 

高校1年生相当で、1回も接種していない女子

本来であれば標準的な接種間隔が望ましいですが、11月の時点で1回も接種していない最終学年の女子は、“特別ルール”を適応します。
まず、11月中に1回目を接種しましょう。
2回目は、1回目の接種から1か月以上間隔をあければ接種できるため、12月中に接種しましょう。
さらに3回目は、2回目から3か月以上間隔を開けたら接種可能ですので、令和4年3月中に接種しましょう。
締切りぎりぎりですが、これで3回とも公費で接種可能です。

 

高校1年生相当で、10月に1回目を接種している女子

10月に1回目を接種している場合は、
①11月に2回目、令和4年2月または3月に3回目の接種、あるいは
②12月に2回目、令和4年3月に3回目の接種、となります。

 

それ以外の定期接種対象者

上記以外の方の場合、標準的な接種間隔で、最長でも1年以内に3回の接種を終わらせましょう。
1回目の接種後、2か月以上あけて2回目を接種、1回目から6か月以上あけて3回目を接種しましょう。
通常、11月に1回目接種すると、令和4年1月に2回目、5月に3回目の接種となります。

 

他のワクチン、例えばインフルエンザワクチンとHPVワクチンとの接種間隔は気にせず、お互い間隔をあける必要はありません。
ただし、新型コロナワクチンとHPVワクチンの間隔は、念のためお互い2週間以上あけるようにして下さい。
新型コロナワクチン感染の第5波が落ち着いている隙に、早めにHPVワクチンを接種されることをお勧めします。