院長コラム

薬剤の限定出荷のお知らせ ~カロナール錠・メノエイドコンビパッチ~

令和4年7月下旬にカロナール錠、8月下旬にはメノエイドコンビパッチの限定出荷について、各製薬会社から通知がありました。
これを受けて、当院ではしばらくの間、以下のように対応して参ります。

 

「カロナール錠」について

カロナール錠は解熱鎮痛剤の一種で、比較的副作用が少なく、お子さんからご高齢の方まで、幅広く使用されています。
そのため、昨今の新型コロナウイルス感染第7波の影響などから、想定を大幅に超える需要が継続しているとのことです。
産婦人科領域に関していえば、カロナール錠(アセトアミノフェン)は妊婦さんが比較的安心して服用できる解熱鎮痛剤であり、特に妊娠後期は他剤に替えることができない唯一の薬剤です。
このようなカロナール錠が令和4年7月27日から限定出荷となりました(期限未定)。そこで当院では、限定出荷が解除されるまで院内処方、院外処方共に、カロナール錠の処方は原則として、妊婦さんに限らせて頂きます。
婦人科疾患の方、授乳婦さんに対しては、ロキソニン錠、ボルタレン錠など、他の解熱鎮痛剤を処方して参ります。

 

「メノエイドコンビパッチ」について

メノエイドコンビパッチは、経皮吸収型の卵胞・黄体ホルモン製剤で、更年期障害に対するホルモン補充療法(HRT)として主に使用されます。
経皮吸収型であるため胃腸や肝臓にほとんど負担をかけず、使用法も簡便で週2回貼り替えるのみです。また、子宮体がんの予防に用いる黄体ホルモン製剤も一緒に吸収できるため、患者さんに人気の製剤の一つです。
当院では、副作用に注意しながらメノエイドコンビパッチを2~3か月分まとめて処方することもありました。
ただし、諸般の事情で令和4年8月22日から限定出荷(期限未定)となったことを受け、限定が解除されるまではお一人1回10枚(5週間分)までの処方と致します。

 

どちらも産婦人科診療に欠かせない薬剤です。
しかも、他剤に変更することが難しい場合も少なくありません。
本当に必要な方が使用できるよう、しばらくの間上記のように処方を制限させて頂く旨、何卒ご了承下さい。