院長コラム

「医の倫理綱領」を読んで

院長コラムを始めてから、今回が丁度800本目となります。
そこで、今回は医療の原点に立ち返り、日本医師会が令和4年3月に採択した「医の倫理綱領」について、その内容を一部抜粋してご紹介します。

 

前文

「医師は責任の重大性を認識し、人類愛を基にすべての人に奉仕するものである。」

医療の目的は、患者さんの治療と、人々の健康の維持もしくは増進、病気の予防であり、患者さんを支える事や苦痛を和らげることも大切です。
そのため、医師には博愛と奉仕の精神をもって医療に尽くすことが求められます。

 

1.「医師は生涯学習の精神を保ち、常に医学の知識と技術の習得に努める。」

医学は日進月歩であり、医療内容が複雑化している現在、医師は知識と技術を生涯にわたり習得する必要があります。

 

2.「医師は責任を自覚し、教養を深め、人格を高めるように心掛ける。」

医療は、患者さんやその関係者との間の信頼関係に基づく行為です。
そのため、医師は、誠実さ、礼節、品性、清潔さ、謙虚さなどの徳を身につけるよう心掛けなくてはいけません。

 

3.「医師は医療を受ける人々の人格を尊重し、医療内容についてよく説明し、信頼を得るように努める。」

医療は、医師と患者さんとの協力によって築かれます。
そのため、医師から十分な説明がなされ、患者さんの理解と同意を得ること(インフォームド・コンセント)が不可欠です。

 

4.「医師は互いに尊敬し、医療関係者と協力して医療に尽くす。」

医師は患者さんに適切な医療を提供するため、他の医師や医療施設との連携を充実させる必要があります。
また、医師以外の専門職種との交流や協力も不可欠であり、より良いチーム医療のために尽力することが大切です。

 

5.「医師は医療の公共性を重んじ、医療を通じて社会の発展に尽くす。」

医師は、正しい医学的知識の普及。啓発を行い、地域医療に貢献することが大切です。

 

「医の倫理綱領」の内容は、私自身医師として常に心掛けており、当院の方針でもあります。
確かに、日常診療で完璧に実践することは、決して簡単なことではありません。
それでも、医の倫理を肝に銘じ、これからもスタッフ皆と協力して、良質な産婦人科医療を提供できるよう、更に努力して参ります。