院長コラム

腹圧性尿失禁に対する骨盤底筋体操のポイント

咳やくしゃみ、走る、重たい物を持ち上げる等、強い腹圧がかかるような動作をした際、思わず尿が漏れてしまう事があります。
これを腹圧性尿失禁といい、尿道・膀胱・子宮などを支えている骨盤底筋という筋肉群の働きが低下することが原因です。
したがって、腹圧性尿失禁の治療や予防には、骨盤底筋を鍛えることが有用です。
今回は、骨盤底筋を鍛える骨盤底筋体操のポイントについて紹介します。

 

仰向けの方法(基本)

  • まず、仰向けに横になり、両足を肩幅程度に開いて、両膝を軽く立てます。
  • 次に、お腹に力を入れずに、肛門・腟をしめたり、緩めたりする動作を2~3回繰り返します。その際、肛門をしめる感覚は“オナラを我慢する感じ”、腟をしめる感覚は“おしっこを途中で止める感じ”を意識しましょう。
  • 続いて、肛門・腟をゆっくりしめて、3秒間ほど静止し、ゆっくり緩めます。これを2~3回繰り返します。
  • さらに、肛門・腟をしめる時間を少しずつ延ばしていきます。1セット5分から始めて、できれば10~20分間行いましょう。
  • 朝から夜までの生活の中で、骨盤底筋体操5セット行うことを目標にしましょう。

 

立った姿勢の方法

肩幅に開いた手を机やテーブルなどにつき。上半身の体重を両手にかけます。
顔を上げ、背中を伸ばし、肩やお腹の力は抜いて、肛門・腟をしめる動作を繰り返し行います。

 

座った姿勢の方法

椅子に座って、足を肩幅に広げ、足の裏の全面を床につけます。
背筋を伸ばして、顔を上げ、肩やお腹の力は抜いて、肛門・腟をしめる動作を繰り返し行います。

 

骨盤底筋体操の大切なことは、毎日こまめに繰り返すことです。
朝目覚めた時、食前食後、洗面や歯みがき前後、就寝時など、日々の活動に結びつけるように習慣化するといいかもしれません。
効果が出るまでに時間がかかるかもしれませんが、腹圧性尿失禁をなおし、生活の質を向上させるために、是非継続しましょう。