院長コラム

中高年女性のフレイル予防の食事

今後ますます高齢化が進む日本におきましては、できるだけ介護を必要とせず、自立した生活を送れるように年を重ねていくことが望まれます。
そのためには、要介護状態の前段階である「フレイル」を予防することが勧められています。
今回は、「よぼう医学 2021年新年号」(東京都予防医学協会)の管理栄養士の方が書かれた記事を参考に、中高年女性のフレイル予防の食事について、情報を共有したいと思います。

 

①1日3食、規則的に食べましょう

高齢になると、一食の量が少なくなりがちのため、1日3食をしっかり食べましょう。
また、生活リズムを整えるために、朝は決まった時間に起きて朝食をとることも大切です。

 

②主食、主菜、副菜をバランスよくとりましょう

1食の中で多様な食品を摂取するため、主食、主菜、副菜をバランスよくとることが勧められます。
特にフレイル予防には蛋白質をしっかりとることが大切で、普通の身体活動レベルの場合、50~64歳で68~98g/日、35~74歳で69~93g/日、75歳以上で62~83g/日が目標摂取量とされています。
日頃から蛋白質を多く含む卵(6.2g/個)、納豆(8.3g/1パック)、魚(鮭17.8g/80g)、肉(鳥ささみ11.5g/50g)、ご飯(3.8g/1膳)などを召し上がるといいでしょう。
また、牛乳(6.9g/200ml)、豆乳(8.3g/200ml)を間食としてお飲み頂くのもお勧めです。

 

③骨を強くする栄養素をとりましょう

骨を強くするために、カルシウム(牛乳・乳製品、大豆製品、小魚、緑黄色野菜など)、ビタミンD(魚類、きのこ類など)、ビタミンK(緑黄色野菜、納豆など)を含む食材を積極的に摂取しましょう。
特に、カルシウムはどの年代でも摂取量が必要量を満たしていないため、努めて摂取しましょう。

 

④よく噛んで食べましょう

噛む力が弱くなると、食事量が減り、栄養状態が悪化し、フレイルになりやすくなります。
咀嚼力を弱らせないように、噛み応えのある根菜などをよく噛んで食べる習慣をつけましょう。

 

フレイルの予防には、食生活の改善が重要です。
健康寿命を延ばすため、特に更年期以降は日頃から食事内容に気を配るようにしましょう。