院長コラム

思春期の月経トラブル

思春期は卵巣機能が未熟であるため、初潮(初経)が遅い、月経周期が乱れるなど、さまざまなトラブルに見舞われます。
今回は思春期の月経トラブルについてお話します。

 

 

初経年齢の平均は?

一般に、10~15歳、平均では12.3歳で初経が発来するといわれています。初経後しばらくは、ホルモン調節機構が十分に機能していないため、10代の月経不順は決して少なくありません。ある報告では、成人女性とほぼ同様の月経周期が確立されるのは19~20歳頃とされています。

 

 

何歳までに初経がなければ診察が必要?

定義の上では、18歳以上で初経を見ない場合を「原発無月経」、15歳から18歳の間に初経を見た場合を「遅発月経」といいます。

そのため、15歳になっても無月経であれば一度受診されることをお勧めします。遅くても18歳で初潮がみられなければ、是非受診して下さい。

 

 

月経周期が不順の場合は?

月経周期は通常25~38日ですが、39日以上を希発月経、90日以上を無月経と定義します.

このような月経不順の原因としては、生理的なホルモン調節機構の未熟性以外にも、受験勉強や対人関係といった精神的ストレスや節食異常(過度なダイエットや食べ過ぎなど)、激しいスポーツといった身体的ストレスが挙げられます。

また、甲状腺機能異常、高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群など、月経異常をきたす病気が隠れている場合もあります。

初経から2年を経ているのにもかかわらず、希発月経や無月経が見られる場合には、是非受診して下さい。

 

 

月経不順の治療

自然経過観察でいい場合もありますが、食生活や運動習慣などの生活習慣の見直し、ホルモン剤や漢方薬による薬物療法が必要になることもあります。

 

 

思春期の女子は、産婦人科を受診することに抵抗があるかと思います。
性交未経験の思春期の方には、内診・経腟超音波検査など婦人科診察は致しません。
ちょっとしたご相談のつもりでも構いませんので、月経トラブルにお悩みの方は、是非お気軽に受診して頂きたいと思います。