院長コラム

当院における「ブライダルチェック」の検査内容

ご結婚にあたり、妊娠に影響を及ぼす疾患がないかどうかを調べる検査を「ブライダルチェック」といいます。
今回は、当院で行っています主なブライダルチェックの検査内容について説明致します。

 

血液検査

性感染症のスクリーニング検査として梅毒・HIV・B型肝炎・C型肝炎を調べています。もし陽性であれば、保険診療として精密検査を行うと同時に、パートナーの方にも内科などで検査して頂きます。
妊娠中に感染すると胎児へ影響を及ぼす風疹・麻疹についても抗体価を調べます。風疹の抗体価(HI)が16倍以下の方、麻疹の場合は抗体が陰性の方に対して、ワクチン接種をお勧めしています。世田谷区民の場合、条件によっては抗体価検査やワクチン接種は助成の対象となっています。尚、風疹、麻疹および混合(MR)ワクチンは生ワクチンであり、胎児への影響を極力避けるために、ワクチン接種後2か月は妊娠を控えて頂きますよう、お願い申し上げます。
「最近内科的健康診断を受けていない」という方には、貧血・血小板減少症・糖尿病などの有無を調べる血液検査も行っており、異常が見られた場合は精査致します。
ちなみに、無月経や月経不順のため、排卵しているかどうかがご心配な方には、ブライダルチェックとしてではなく、保険診療として各種ホルモン検査などを行います。

 

婦人科的診察

内診および超音波検査を行い、子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜症・卵巣腫瘍などの有無を確認します。積極的な治療が必要と判断した場合は高次施設へ紹介致します。
20歳以上の方の場合、2年に1回の子宮頚がん検査が勧められています。過去二年間、子宮頚がん検査をしていない方には、子宮頚部細胞診を行います。世田谷区民の方の場合は、自治体の受診券が利用できます。もし細胞診で異形成やがんが見つかった場合は、当院または専門施設にて適切に精査・治療を行います。
性感染症として性器クラミジア感染症、淋菌感染症、トリコモナスに対する検査を行い、陽性であれば適切に抗生剤による治療を行います。同時にパートナーには泌尿器科などで精査して頂き、もし陽性であった場合は、お二人とも治癒するまでは性行為を控えて頂きます。

 

当院におけるプライダルチェックは、検査項目や自治体の助成の有無により異なりますが、自費で25,000~30,000円ほどかかります。
もし、帯下や月経不順、下腹部痛などの症状がある場合、ブラダルチェックの日とは別の日になりますが、一部保険診療として検査して頂くこともできます。
ブライダルチェックは必須の検査ではありませんが、ご自身の健康管理の一環としてご検討下さい。