院長コラム

妊婦さんと新型コロナウイルス感染について

2021年8月の中旬から下旬にかけて、妊婦さんに対する新型コロナワクチン接種や、感染してしまった妊婦さんの対応に関する案内が、日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会、厚生労働省健康局健康課から相次いで通達されました。
今回は、これらポイントや当院の方針についてお伝えします。

 

妊娠反応陽性になったら積極的にワクチン接種を

妊婦さんが新型コロナウイルスに感染すると、特に後期(妊娠28週以降)は重症化しやすく、早産のリスクも高まるといわれています。そのため、いかに早い時期にコロナワクチンを2回接種できるかが、とても大切です。
胎児の器官形成期(妊娠13週未満)に接種しても胎児への悪影響はないことが知られており、当院では妊娠反応が陽性になった時点で、原則として積極的にワクチン接種を勧めております。
妊婦健診を1回でも当院で受けている方であれば、他院で分娩予定の妊婦さんでも接種の予約をお取りできます。

 

自宅やホテルで療養中の新型コロナウイルス感染妊婦さんへ

妊娠中に感染してしまい、自宅やホテルなどでの療養を余儀なくされた妊婦さんに対し、学会および医会から8月23日付で以下のような案内が告知されました。
当院で健診をされている妊婦さんで、新型コロナウイルス感染と診断された方は、速やかに当院にもご一報下さい。

 

<健康観察>

  • 呼吸状態、心拍数や呼吸数の計測
  • 体温
  • 酸素飽和度(血液内も酸素量):パルスオキシメーターをお持ちの方

<かかりつけの産婦人科医または保健所に連絡>

  • 1時間に2回以上の息苦しさを感じるようになった時
  • トイレに行くときなどに息苦しさを感じるようになった時
  • 心拍数が1分間に110回以上、または呼吸数が1分間に20回以上になった時
  • 安静にしていても、酸素飽和度が93~94%から1時間以内に回復しない時

<救急車の要請> 

  • 息苦しくなり、短い文章の発声もできなくなった時
  • 酸素飽和度が92%以下になった時

 

当院の近隣で、新型コロナウイルス感染の妊婦さんに対応できる産科施設は、極わずかです。
そのため、妊娠していない方以上に、妊婦さんはできるだけ感染しないことが求められます。
妊婦さんはもちろん、同居のご主人やパートナーの方も、ワクチン接種、マスク着用、3密回避など、十分な感染予防対策を心掛けましょう。