院長コラム

偽閉経療法中の骨粗しょう症予防

子宮筋腫や子宮内膜症に対する治療として、人工的に閉経状態にする「偽閉経療法」があります。
具体的には、レルミナ錠の内服、リュープロレリン注の皮下注などですが、原則として6か月までの治療期間となります。
というのも、長期間の閉経状態により、骨密度が低下して骨粗しょう症のリスクが高まる可能性があるからです。
しかし、本当の閉経まで、断続的に偽閉経療法を行うケースも少なくありません。
そこで今回は、偽閉経療法中の骨粗しょう症予防について、情報共有したいと思います。

 

無理なダイエットはやめましょう

食事量が少なく食事回数も少ないと、骨作りに必要なカルシウムなどの栄養素を十分に摂ることができません。
また、やせ過ぎてしまうと、骨に対して負荷がかからないため、骨を丈夫にすることができません。
そのため、無理なダイエットはやめましょう。むしろ、やせ過ぎの方は適正体重を目指し、体重をアップさせましょう。

 

食事は主食・主菜・副菜をそろえましょう

骨代謝には、カルシウム以外にも様々な栄養素が関係しています。
そのため、米・パンなどの主食、肉・魚・卵・大豆製品といった主菜、野菜料理・海藻・キノコなどの副菜をバランスよく食べるようにしましょう。

 

カルシウムを一日600㎎(成人必要量)+100∼200㎎摂取しましょう

カルシウムはいろいろな食品に含まれていますが、それぞれ吸収率が違うため、様々な食品を摂ることが大切です。

乳製品:牛乳・ヨーグルト・プロセスチーズなど 

緑黄色野菜:ほうれん草・小松菜・水菜など

大豆製品:納豆・豆腐・がんもどきなど

小魚・海藻・乾物:しらす干し・ひじき・切り干し大根など

 

1日30分、戸外でウォーキングをしましょう

適度な運動は、骨に刺激を与えて丈夫にします。また、紫外線は、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを合成します。
そのため、戸外で30分程度のウォーキングすることをお勧めします。
その他、骨密度増加と転倒予防のためには、週2~3回の筋力トレーニングが有用といわれていますので、是非生活に取り入れましょう。

 

偽閉経療法を開始されたら、上記の様な食生活と運動習慣を心掛けて下さい。
また、ニコチン・アルコール・カフェインはカルシウムの吸収に悪影響を及ぼします。
禁煙・禁酒(節酒)することはもちろん、コーヒーの飲み過ぎにもご注意下さい。