院長コラム

低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤「ジェミーナ配合錠」の二つの服用方法

低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤(LEP)は、子宮内膜組織の増殖を抑え、内膜で合成される“痛み物質”の産生を減らす作用があるため、月経困難症の治療に用いられています。
「ジェミーナ配合錠」は数あるLEPの中でも、比較的使用されることが多い薬剤で、「28錠シート」と「21錠シート」の二種類があります。
今回は、当院でも多くの方に処方しております「ジェミーナ配合錠」の二つの服用方法について説明します。

 

「77-7パターン」が第一選択

月経困難症治療薬としてLEPを用いる際、月経痛の改善を目指すことはもちろんですが、月経の回数自体を減らすことも重要です。というのも、LEPの休薬期には月経様の出血がみられ、体調不良となる可能性があるためです。
ひと月に一回、わざわざ月経を起こさせる必要はありません。
そのため、「28錠シート」を2つ(56日間)服用後、続けて「21錠シート」を1つ(合計77日間)服用し、その後7日間休薬する「77日間服用+7日間休薬(77-7パターン)」が推奨されています。
当院でも「ジェミーナ配合錠」を使用する際は、まず「77-7パターン」を第一選択としています。

 

不正出血が持続する場合は「21-7パターン」への一時的な変更も

LEP服用の副作用として、不正出血が挙げられます。ほとんどの方は、出血量は少量で、服用開始数か月で消失します。ただし、中には通常の月経量と同等またはそれ以上の出血が数か月以上持続し、生活に支障をきたす方がいらっしゃいます。
当院ではその場合、3か月間ほど「21日間服用+7日間休薬(21-7パターン)」に変更する場合があります。月に一回休薬し、あえて出血を起こさせることで、服薬中の出血が軽減することを期待する方法です。服薬中の出血がみられなくなった時点で、再び「77-7パターン」へ戻すようにしています。

 

「ジェミーナ配合錠」は「77-7パターン」と「21-7パターン」の2種類の服薬方法を選べる薬剤です。
当院では、それぞれの特性を活かして、皆さんの症状やライフスタイルに合った最善の方法を提供して参ります。