院長コラム

乳がん検診を受けましょう

先日、「ちびまる子ちゃん」の原作者、さくらももこさんが急逝され、ショックを受けた方も多かったのではないでしょうか。
私も、さくらももこさんと同い年であり、かつて静岡市清水区の病院に勤務していたこともあり、大変衝撃を受けました。
今回は、ご冥福をお祈りしつつ、さくらももこさんを襲った乳がんについてお話致します。

 

 

乳がんにかかる方が増えています

毎年、乳がんの罹患率は増加しており、全国で年間約74,000人が罹患し、約13,600人が亡くなっています。また、日本人女性の約11人に1人が、生涯で一度は乳がんになるといわれています。

年齢別では、45~50歳と60~64歳に罹患率のピークがあり、更に年齢別がん死亡原因をみると、30~64歳までの第一位が乳がんとなっています。

国際比較では、日本の乳がん罹患率は欧米に比べて低いものの、乳がんによる死亡率は欧米では低下している一方、日本では増加し続けています。その原因の一つに、日本では乳がん検診の受診率が低いことが挙げられています。

つまり、我が国の乳がん死亡率を減少させるためには、乳がん検診率を上げて、早期発見・早期治療に繋げることが不可欠です。

 

 

世田谷区の乳がん検診

世田谷区では、4月1日から翌年の3月31日の年度で、40歳以上・偶数年齢の女性区民を対象に、2年に1回定期健診を行っています(自己負担金1,000円)。

検査内容は視触診とマンモグラフィー(X線撮影)ですが、40歳代の方は2方向から、50歳以上の方は1方向から撮影を行っています。

40歳未満の方は世田谷区の乳がん検診を受けることはできませんが、自己検診でしこりやえくぼのようなへこみ、乳頭からの出血など、異常所見がありましたら直ちに乳腺科を受診して下さい。

 

 

当院での乳房検査は「視触診と超音波検査」

当院ではマンモグラフィー検査はできないため、世田谷区の乳がん検診をご希望の方は、あらかじめ専門施設でのマンモグラフィー検査をご予約した後、当院を受診して下さい。こちらでは視触診に加え、超音波検査を行っています。尚、世田谷区乳がん検診の方は、自己負担金1,000円の他、超音波検査の追加費用は頂きません。

もし、マンモグラフィー検査や超音波検査で精査・治療が必要と判断した場合は、近隣の乳腺専門医へ紹介致します(保険診療)。

 

 

本日、午前中の外来診療を休診とさせて頂き、9月1・2日開催の「乳房超音波医師講習会」を受講して参りました。2日目の明日も勉強して参ります。
休診で多くの方々にご迷惑をおかけした分、この講習会で学んだ知識・技術を当院受診の皆様に還元したいと考えています。
何か乳房で気になることがありましたら、是非ご相談下さい。