院長コラム

閉経前から有用な「エクオール・サプリメント」

エクオールは、女性ホルモンであるエストロゲンに似た構造をしており、大豆イソフラボンが腸内細菌により代謝されることで産生されます。
先日、東京歯科大学市川総合病院産婦人科の先生による「エクオール」に関する講演会に参加してきました。今回、中高年女性に対するエクオール・サプリメントの有用性について、講演会の内容を含め、情報共有したいと思います。

 

更年期障害の改善効果

更年期障害に対する治療の第一選択はホルモン補充療法(HRT)ですが、血栓症のリスクが高い方など、HRTが行えない方がいらっしゃいます。
その場合、一般的には漢方療法を行いますが、漢方薬が苦手な方や下痢しやすい方も少なくありません。
そのような方には、エクオール・サプリメントがお勧めです。
約3か月の服用により、ホットフラッシュや首・肩のこりが改善した、とのデータもあります。また、肌に対する効果として“しわ”の改善効果も認められています。

 

骨密度減少の緩和

閉経前後の女性は、エストロゲン分泌減少に伴い、骨密度が低下することが知られています。
エクオール・サプリメントの1年間の服用で、骨密度の減少が約50%抑えられたとの報告があります。
HRTで使用するほとんどのホルモン剤の保険適応は「更年期障害」「卵巣欠落症状」「骨粗しょう症」などですが、それらの予防に関しては保険の適応ではありません。
そのため、閉経前から、適切な運動習慣や食生活の改善とともに、エスオール・サプリメントの服用を習慣にすることもいいと思います。

 

手指関節の病気(へバーデン結節など)の予防・症状緩和

全身の関節の周囲にある膜に、エストロゲンの受け皿が存在しており、エストロゲンの血中濃度が低下すると、様々な関節の病気が出現することが知られています。
ただし、HRTを施行したからといって、必ずしも手指関節の症状が良くなるとは限らず、HRTとエクオール・サプリメントを併用したことで手指症状が軽減した方もいらっしゃいます。
実は、エクオール・サプリメントは、エストロゲン様作用以外にも、乳腺や子宮内膜の組織に対しては抗エストロゲン作用をきたすことや、抗炎症作用がみられるなど、様々な作用を有しています。
おそらく、エクオール・サプリメントの様々な作用にため、手指関節の病気の予防・症状緩和に対する効果が期待できるのかも知れません。

 

このようなエクオール・サプリメントは、多くのメーカーから商品が販売されています。
ただし、すべてが同じ品質であるとういうわけではありません。
当院では、より効果的で安全であ「エクエル」(大塚薬品)を推奨しており、受付でご購入することができます。