院長コラム

都内でRSウイルス感染者が急増中

令和3年6月24日付で、東京都福祉保健局から医師会を通じて「PSウイルス感染症の報告数が急増しています」との連絡がありました。
今回は、乳幼児のいらっしゃるお母さん向けに、RSウイルス感染症に関する情報を共有したいと思います。

 

RSウイルス感染症とは

RSウイルスは気道感染を起こす代表的な病原体です。成人や年長小児にとっては単なる風邪症候群の一つであり、多くの場合は軽症でおさまるため、臨床的に問題となることはほとんどありません。
ただし、1歳未満の乳児の場合や、先生性心疾患、慢性肺疾患、免疫能が低下した児、ダウン症候群児などでは、重症化する可能性が高くなることが知られています。

 

今年の都内でのRSウイルス感染症の発生状況

都内における過去4年間の患者報告数の推移は、7月ごろから増加し始め、8~9月ごろにピークを迎え、11月に収束しております。
ところが、今年は5月に入り急増しており、6月の中旬には例年の同時期の10倍程度となり、平成15年の調査開始以来、最も高い値となっています。
今後、更に増加することが予想されます。

 

乳幼児・基礎疾患ある小児の風邪症状は早めに小児科受診を

呼吸が早い、息苦しそうにしている、肩や全身を使って息をしている、顔色が悪い、元気がないなどの様子が見られた場合は、早めに小児科を受診しましょう。
また、先天性心疾患、慢性肺疾患など基礎疾患を持つ小児の場合などは、あらかじめかかりつけ医に相談し、感染予防や病気にかかった場合の対応について助言を受けておくことが勧められています。

 

RSウイルス感染症は、咳やくしゃみなどウイルスを含むしぶきを吸い込むことや、手指などを介してウイルスが口や目に接触することで感染します。
保護者の方は、手指衛生、マスクの着用、咳やくしゃみをする時は口や鼻をティッシュなどで覆うなど、感染防止を心掛ける必要がありです。
また、お子さんが咳などの症状がある場合は登園を控えるなど、無理をさせないようにしましょう。