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院長コラム

当院での鉄欠乏性貧血治療薬「フェインジェクト静注500mg」の使用法

鉄欠乏性貧血は女性に多い貧血であり、軽症の場合は鉄剤の内服薬から治療を開始します。ただし、経口鉄剤は胃痛や便秘などの副作用が少なくないため、服薬の継続が困難な場合があります。また、出血が多い場合は、経口鉄剤では非効率なこともあります。
このように経口鉄剤の使用が難しい場合、鉄剤の静脈注射を行いますが、これまでの静注鉄剤では連日投与する必要がありました。
そのような中、2020年9月、新しい静注鉄剤である「フェインジェクト静注500mg」が発売されました。
今回は、「フェインジェクト静注500mg」の概略と当院での使用法について説明します。

 

「フェインジェクト静注500mg」の特徴

この製剤は、鉄として500mgを週1回投与する静注鉄剤であり、1~3回の使用で治療が完成することが特徴です。
従来の静注鉄剤では毎日通院し、針を刺さなければいけませんでしたが、「フェインジェクト静注500mg」は週に1回、再大でも3回しか通院しなくてもいいので、貧血患者さんの負担はかなり軽減すると思われます。
しかし、投与が可能な患者さんはある程度限られており、原則として経口鉄剤が困難あるいは不適当な鉄欠乏性貧血の方で、ヘモグロビン(Hb)値が8.0g/dl未満の方が対象になります(ちなみにHb値が12.0g/dl以上が正常と考えられています)。
ただし、Hb値が8.0g/dl以上の場合でも、手術前に早急に高用量の鉄補充が必要と判断した場合には、投与可能との事です。

 

子宮筋腫・子宮腺筋症などによる過多月経・過長月経の方への使用

鉄欠乏性貧血として女性の性器出血が3割を超えており、その多くは過多月経・過長月経と思われます。
子宮内腔を圧排するような子宮筋腫や大きな子宮腺筋症が原因の過多月経・過長月経では、Hb値が8.0g/dlを下回るような重度の貧血をきたすことも少なくありません。
このような患者さんには、子宮筋腫・子宮腺筋症に対する根本的な治療は必要ですが、早急に貧血を改善させることも大切であるため、「フェインジェクト静注500mg」は非常に有用であると考えています。

 

当院での「フェインジェクト静注500mg」の使い方

添付文書では「希釈しないで使用する場合は5分以上かけて静注すること」「希釈して使用する場合は6分以上かけて点滴静注すること」とあります。
当院ではアレルギーや血管痛に注意しながら、10~30分程度を目安に点滴静注しています。
尚、外来での「フェインジェクト静注500mg」点滴枠を月・火・水・金曜日は10:00~16:00、木・土曜日は9:00~11:30とさせて頂いております。

 

外来診療での鉄欠乏性貧血の治療として、「フェインジェクト静注500mg」は非常に有用と思われます。
これからも、患者さんの症状や検査データなどはもちろん、様々な負担の軽減を考えて、お一人おひとりに最善と思われる治療薬を使用して参ります。

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