院長コラム
もしも妊婦さんがインフルエンザにかかったら?
前回は、「妊婦さんこそインフルエンザワクチンの接種を」とお話しましたが、今回は、「予防していたのにもかかわらず、インフルエンザにかかってしまったら?」についてお話致します。
インフルエンザにかかったかな、と思ったら
インフルエンザの症状として、38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が急激に現れ、その後、咳、痰、鼻汁などのかぜ症状が認められることが多いようです。
もし、急に37.5度以上の発熱が見られ、関節痛や倦怠感などが見られたら、インフルエンザに感染した可能性があります。
まずは、症状が悪化する前に近くの内科を受診しましょう。そこでインフルエンザと診断された場合は、抗インフルエンザウイルス薬の使用をお勧めします。
妊婦さんも抗インフルエンザウイルス薬を使用できます
確かに通常の免疫力を持っている方の場合、あえて治療しなくても1~2週間で自然治癒することも少なくありません。
また、原則として、妊娠中の薬物療法は“必要にして最小限”が望ましいといわれています。
そのため、特にお仕事をお持ちでない妊婦さんの中には、薬を飲まずに自力でゆっくり直そう、とお考えの方もいらっしゃいます。
ただし、妊婦さんはハイリスクであり、早めに治療しないと肺炎など重症化する可能性があります。
一刻も早く治癒させるには、抗インフルエンザウイルス薬を早めに使用することが必要です。現在日本で使用されている「タミフル」、「リレンザ」は、流産率および催奇形性を上昇させることがないため、安全に使用できます。また、「イナビル」も症例数は十分ではありませんが、妊娠中の安全性に関して問題なし、といわれています。
予防的に抗インフルエンザウイルス薬の使用も可能
尚、ご家族がインフルエンザにかかってしまった場合、予防的にタミフルやリレンザを服用することもできます(自費)。当院ではタミフル1日1錠10日間を処方致します(約5000円)。是非、早めにご連絡下さい。
まずは予防、かかったら薬物療法。
インフルエンザには早めの対応が大切です。