院長コラム

「母体急変時の初期対応」講習会へ参加してきました。

先月、日本母体救命システム普及協議会(J-CIEMELS)公認講習会ベーシックコースに、私と助産師3名、計4名で参加してきました。

講義とシミュレーターを用いた実技からなる4時間の講習会であり、大変有意義で実践的な勉強になりました。

分娩時に遭遇する可能性がある6つの危機的状態、「羊水塞栓症」「肺塞栓症」「アナフィラキシーショック」「高血圧に伴う脳出血」「分娩後の弛緩出血」「子宮内反症」について、救急対応のシミュレーションを行い、インストラクターの先生方の指導受けながら、スキルを高めていきます。

ほとんどは、順調に経過するお産ですが、お母さんと胎児の命を脅かすような事態になることも、決して珍しくありません。

お母さんと赤ちゃんを救うために、スタッフ一人ひとりが、日頃から緊急時対応を頭の中でシミュレーションし、いざという時、平静の心で対処できる。
そのために、今回の学びをスタッフ皆で共有したいと考えています。

今年のNHK大河ドラマ「西郷どん」は既に大人気のようですが、その西郷隆盛の遺訓に、次のような一節があります。

「平生処分する者は動揺せずして、取始末も能く出来るなり。平生処分無き者は、ただ狼狽して、なかなか取始末どころには、これなきぞ。」
緊急事態が起こった時、普段から心の修養が出来ている人は、動揺せず的確に行動できる。対して、心の修養が出来てない人は、ただ狼狽して何も出来ない。

医療に携わる者として、常に胸に刻むべき名言です。