院長コラム
HPVワクチンの定期接種は“努力義務”
先日、「予防接種ガイドライン 2023年度版」が発行されました。
今回は子宮頚がん予防に有益なHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン接種について、情報共有したいと思います。
定期接種とは
予防接種法によって対象疾患、対象者および接種期間などが定められたものを「定期接種」といい、A類疾患とB類疾患があります。
A類疾患:主に集団予防、重篤な疾患の予防に重点を置いたもので、本人あるいは保護者に“努力義務”あり、国からの接種勧奨があります。
主な感染症にはロタウイルス・ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ・結核・麻疹(はしか)・風疹・水痘(水ぼうそう)などがありますが、HPV感染症もA類疾患に含まれています。
B類疾患:主に個人予防に重点を置いたもので、季節性インフルエンザや高齢者の肺炎球菌感染症がこれに当たり、努力義務はなく、国の接種勧奨もありません。
小学校6年生から高校1年生相当の「定期接種世代」の女子は、原則接種へ
前述のように、HPV感染症はA類疾患ですので、定期接種世代である小学校6年生から高校1年生相当の女子の皆さん及び保護者の方には、HPVワクチンを接種する“努力義務”が課せられています。
つまり、HPVワクチンの情報を見聞きし、ご理解して頂いた上で、「HPVワクチン接種はしたくない」という明確な意思がないのであれば、是非接種する方向でご検討下さい。
キャッチアップ世代の方も積極的に接種を
2013年6月から2022年3月まで、諸般の事情により、国からのHPVワクチン接種の積極的な勧奨が差し控えられていました。その事で接種機会を逃してしまった世代の女性に対して、特例的に令和4年度から3年間限定ですが、公費によりHPVワクチンを接種することができるようになりました。
ちなみに、令和5年度のチェックアップ接種対象者は「平成9年(1997年)4月2日から平成18年(2003年)4月1日までに生まれた女子」です。
尚、令和7年(2025年)3月31日でこの特例措置は終了し、その後は自費での接種になりますので、くれぐれもご注意下さい。
HPVワクチン接種の有効性は世界的に証明されています。
性交デビュー前、そしてより若いご年齢での接種が特に有効です。
ただし、キャッチアップ接種対象ぎりぎりのご年齢であったとしても、有用であることは間違いないので、決して手遅れと思わず、積極的にこの制度を利用しましょう。