60歳以上の方の更年期障害・閉経関連泌尿生殖器症候群に対する治療|世田谷区の産科・婦人科「冬城産婦人科医院」

面会はこちらから

HOME > 院長コラム > 60歳以上の方の更年期障害・閉経関連泌尿生殖器症候群に対する治療

院長コラム

60歳以上の方の更年期障害・閉経関連泌尿生殖器症候群に対する治療

女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下すると、更年期障害(のぼせ・発汗・抑うつ・不安など)や閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM:腟および外陰部の乾燥・痒み・灼熱感・性交痛・排尿障害など)をきたすことがあります。
治療の柱はホルモン補充療法(HRT)ですが、60歳以上の方に対して新規にHRTを使用すると、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患や肺塞栓症や深部静脈血栓症などの静脈血栓塞栓症のリスクが高まることが知られています。
今回は、60歳以上の更年期障害やGSMに対する治療法について説明します。

 

HRTの注意点

60歳未満あるいは閉経後10年以内にHRTを開始している場合は、60歳を越えても、あるいは閉経後10年を越えても、引き続きHRTを行うことは問題ありません。注意が必要なのは、60歳以上あるいは閉経から10年間以上経過している女性です。
もし新規でHRTを行うのであれば、虚血性心疾患や静脈血栓塞栓症のリスクを少しでも抑えるため、比較的安全に使用できる経皮吸収エストロゲン製剤(エストラーナ貼付剤、メノエイドコンビパッチ、ディビゲルなど)を用いることが勧められます。
また、GSMに対するホルモン治療としてエストロゲン腟坐剤(エストリオール腟錠など)が有効であると言われています。エストロゲン腟坐剤には血栓症の副作用がほとんどみられませんが、原則として膣坐剤は医師が挿入することになっています。ただし、通院が困難な場合は処方致しますので、腟坐剤の自己挿入を宜しくお願い致します。

 

ホルモン製剤以外の薬物療法

HRTをできるだけ避けたい方には、ホルモン剤以外の薬剤を検討します。
のぼせ・ほてり・発汗などの血管運動神経症状に対しては、グランダキシン錠(自律神経調整剤)を処方することがあります。
自律神経症状だけでなく、抑うつ・不安感・不眠・いらいらなど精神症状も見られる場合には、「当帰芍薬散」「加味逍遥散」「桂枝茯苓丸」などの漢方薬を使用することも少なくありません。
また、抑うつなどの精神症状が主体の場合は、「レクサプロ錠」(抗うつ剤)を処方することがあります。

 

GSMに対する腟・外陰レーザー治療(モナリザタッチ)

GSMは50歳代や閉経後早期の方よりも、60歳以上あるいは閉経後10年以上の方の方が多いと思われます。膣・外陰部の不快症状に対してHRTを行うこともありますが、ホルモン剤のみでは軽快しづらいことがあります。
そのため、GSMの改善には腟・外陰レーザー治療が推奨されており、当院では、炭酸ガスレーザーを使用しています。腟内、膣入口部、小陰唇・大陰唇に数分間レーザー照射を行うことで、粘膜下あるいは皮下組織のコラーゲンを増やし、ふっくらとした潤い豊かな状態を目指します。その結果、腟・外陰部の不快症状の改善が期待できます。

 

60歳以上の更年期障害や腟・外陰部の不快症状に対する治療法として、血栓症リスクが少ないホルモン剤、自律神経調整薬、漢方薬、抗うつ薬などの薬物や、モナリザタッチのようなレーザー治療など、様々な選択肢があります。
当院では、個々の症状や体質に合わせて、最善の治療法をご提案して参ります。

ページトップへ