院長コラム

10月26日、妊婦さんのインフルエンザワクチン接種“解禁”

今シーズンはインフルエンザワクチンの需要が例年よりも増加することが予想されているため、厚生労働省から接種対象者の優先順位が告知されました。
10月1日からは65歳以上の方(定期接種対象者)を優先としていましたが、いよいよ10月26日(月)からは妊婦さんの接種が始まります。
今回は、当院でのインフルエンザワクチン接種について説明します。

 

当院でのインフルエンザワクチン接種対象者

妊娠全期間を通じて、インフルエンザワクチン接種による胎児へのリスクはほとんどありません。そのため、本来であれば妊娠のごく初期でも接種することは可能ですが、当院では“割り当ての数”に限りがあるため、原則として『分娩予定日が決定する妊娠9週頃から分娩まで』の妊婦さんをワクチン接種対象にしています。
ただし、妊娠8週以前のワクチン接種を禁止するものではなく、その時期に他施設(かかりつけ内科・小児科クリニックなど)でワクチンを接種することができるのであれば、その機会を利用して頂いて全く構いません。
尚、当院で妊婦健診を受けている妊婦さんだけでなく、他院で妊婦健診をされている方で、ワクチン接種だけをご希望の妊婦さんもお受けしております。その際は、是非お電話でご予約頂きます様、宜しくお願い致します。

 

インフルエンザワクチンの種類

インフルエンザワクチンには、防腐剤としてメチル水銀(チメロサール)を含んでいるタイプと含んでいないタイプの二種類があります。防腐剤含有のワクチンでも胎児に影響はありませんので、妊婦さんが接種することに全く問題はありません。
当院では二種類とも準備しておりますが、特に防腐剤が含まれないワクチンの数に限りがあるため、こちらから優先的に使用します。ただし、当院で健診されずに、ワクチン接種のみをご希望の方には、防腐剤含有のワクチンを使用させて頂いております。

 

当院のワクチン接種料

2020年10月の時点で、以下のように料金を設定しております。

・当院にて妊婦健診をされている方:3,700円(税込)

・ワクチン接種のみ希望の方 :4,700円(税込)

 

 

妊婦さんはインフルエンザに罹患すると肺炎など重篤な合併症を起こしやすいことが知られています。
また、インフルエンザは、自然流産、早産、低出生体重児、胎児死亡が増加するともいわれています。
さらに、妊娠中のワクチン接種は生後6か月までの児のインフルエンザ罹患率を減少されるとの報告があります。
そのため、インフルエンザ予防に有効な手段であるワクチンを妊婦さんに接種することは、世界的に推奨されています。
ただし、インフルエンザワクチン接種と同時に、インフルエンザ感染予防の基本は「手洗い・うがい・マスクの着用」であることをくれぐれも忘れないようにしましょう。