院長コラム

男性の風疹抗体検査について~世田谷区クーポン券の有効期限延長~

先日、世田谷区から「風しん抗体検査・予防接種」に関するお知らせがありました。今回は、ご主人やパートナーなど、男性の風疹抗体検査について情報提供致します。

 

30~50代男性の風疹患者が増加

平成30年7月以降、首都圏を中心に30~50代男性の風疹患者が増加しているといわれています。
昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性は公的に風疹の予防接種を受ける機会がなく、現在でも30~50代男性の20%に免疫がないとのことです。

 

妊娠20週までに妊婦さんが風疹に感染すると先天性風疹症候群の恐れが

妊娠20週までに風疹に感染してしまうと、赤ちゃんが白内障、難聴、心奇形などの疾患や障害をきたしてしまう危険性があります。妊娠中は風疹ワクチンを接種することができないため、女性は妊娠前に接種することが勧められています。
ただし、ワクチンを接種しても十分に抗体価(免疫の強さ)が高くならず、妊娠中に感染してしまう方もいらっしゃいます。特に、家庭や職場の30~50代男性から妊婦さんに風疹が感染してしまう危険性が指摘されています。
妊婦さんに感染させないためにも、30~50代の男性に対して、風疹の抗体価が十分にあるかどうかを検査して頂くよう、国を挙げて推奨しています。

 

風疹クーポン券の対象と有効期限

世田谷区から風疹クーポン券が郵送される対象者は、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性です。ただし、過去に風疹抗体検査などで確定診断を受けて、風疹にかかった記録がある方、平成26年4月1日以降に受けた風疹抗体検査により、十分に抗体を保有していることが判明している方は、抗体検査や予防接種を受ける必要がありません。
尚、令和2年度までに郵送された風疹クーポン券には、有効期限が「2020年3月」または「2021年3月」と記載されているそうですが、「2022年(令和4年)2月末」までに延長されたとのことです。

 

皆様のご家族の方で、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性の方がいらっしゃいましたら、まずは風疹抗体検査をご検討頂くよう、お伝え頂きましたら幸いです。