院長コラム

月経周期に伴う体調不良のある方へ

月経は約28日間のサイクルで繰り返しますが、その間女性ホルモン分泌が大きく変動します。
そのホルモンの変動に伴い、心身の体調が大きく変化することも少なくありません。
今回、月経周期の伴う体調不良について情報共有致します。

月経期:月経困難症を認める時期
月経とは子宮内膜が剥がれて血液とともに排出される現象であり、通常3~7日間出血が持続します。この時期を月経期と言い、下腹部痛・腰痛といった月経痛や、頭痛、下痢、抑うつ、イライラなど様々な体調不良(月経困難症)を認める方も少なくありません。
子宮内膜ではプロスタグランジンという物質が産生されますが、この物質は、筋肉を収縮させる働きがあります。子宮を過剰に収縮させると月経痛が強くなり、腸管を過剰に収縮させると下痢を引き起こすことがあります。
このように月経期は、月経サイクルの中でも最も体調不良になりやすい時期と言えます。

卵胞期:最も体調が安定する時期
月経周期8日目頃になって、月経が終了すると、卵巣の卵胞(卵子が入っている袋)からエストロゲン(卵胞ホルモン)という女性ホルモンの分泌が増加します。
エストロゲンには様々な作用がありますが、子宮内膜を厚くさせて、妊娠に向けて下準備を行います。
多くの方にとって月経終了から排卵までの卵胞期は、月経サイクルの中で最も体調の整っている時期といえます。

排卵期:エストロゲン低下と排卵の影響
卵胞が成熟すると、脳から排卵を促すホルモンが分泌され、その作用により卵胞が弾けて、卵胞液とともに卵子がお腹の中に飛び出ます。排卵後の卵胞は黄体という組織に変わり、内部に血液が充満して腫れる事もあります。
これら一連の変化により、一時的に下腹部痛(排卵痛)をきたすこともあります。
また、排卵期はエストロゲンの分泌が急速に減少しますが、その影響で出血(中間期出血・排卵期出血)や片頭痛を認める方もいらっしゃいます。

黄体期:月経前症候群(PMS)に悩む時期
排卵後から次回月経までを黄体期といい、月経期に次いで(人によっては月経期よりも)体調不良をきたしやすい時期です。
PMSとは、次回月経開始の3~10日から始まる様々な身体症状(乳房痛、下腹部膨満、浮腫、便秘、頭痛など)・精神症状(イライラ、抑うつ、不安感、怒りっぽいなど)をいいます。
PMSの原因は明らかではありませんが、排卵後の黄体から分泌地される黄体ホルモンの関与、月経前のエストロゲンと黄体ホルモンの急激な減少など、様々な要因が関係していると言われています。

妊娠を希望されている時期であれば排卵は必要ですが、希望していないのであれば(むしろ妊娠したくないのであれば)、その時期は排卵しなくても問題ありません(むしろ排卵しない方がいいです)。
また、月経とは、妊娠に至らなかった子宮内膜を剥がして流す現象ですので、妊娠をしない時期であれば、月経はないに越したことはありません。
月経サイクルによる体調不良を認める方にとって、一時的に月経サイクル自体を休ませることも、対処法の一つと思われます。