院長コラム

日本赤十字社医療センターとの連携について

当院は地域の医療施設との連携に、積極的に取り組んでいます。
今回は、日本赤十字社医療センター(以下日赤医療センター)との病診連携について説明します。

 

連携1. 「セミ・オープンシステム」

セミ・オープンシステムとは、妊婦健診は当院で行い、妊娠末期からの健診、分娩管理、退院までの産褥管理を日赤医療センターで行うシステムのことです。
あまり大きなリスクはないけれど、分娩は大きな病院をご希望の方にお勧めです。

妊娠16週頃、当院から「共通診療ノート」をお渡しし、一度日赤医療センターを受診し、分娩予約をお取り頂きます。その後、順調に経過しましたら、妊娠32週頃まで当院で健診し、妊娠34週頃から日赤医療センターで周産期管理をして頂きます。分娩後、順調に経過している場合、ご希望があれば当院で1か月健診を受けて頂くことも可能です。

ただし、当院での健診中、逆子や切迫早産など異常が認められましたら、早めに日赤医療センターに戻って頂くこともあります。

 

連携2. 通常の紹介

多胎妊娠、高血圧合併妊娠など、比較的リスクが高い妊婦さんは、妊娠初期に日赤医療センターへ紹介させて頂くこともあります。その際は妊婦健診も日赤医療センターで行うことが望ましいですが、風邪気味や外陰部掻痒などのマイナートラブルについては当院で対応させて頂きます。

また、手術が必要と思われる婦人科疾患についても、通常の紹介枠で対応致します。場合により、術後の管理は再び当院で行うこともあります。

 

連携3. 緊急母体・新生児搬送

渋谷区にあります日赤医療センターは、世田谷区・目黒区・渋谷区からなる区西南部ブロックの中核病院であり、都内5か所ある「スーパー総合周産期センター」のうちのひとつです。

そのため、妊娠中や分娩中に緊急の母体搬送が必要となったケースや新生児の具合が悪くなり、新生児搬送が必要となったケースでは、日赤医療センターに受け入れて頂くこともあります。

 

当院では、リスクが比較的少ない妊婦さんの分娩を取り扱っていますが、100%安全なお産はありません。
私たちは、母児を救うために近隣施設とのネットワークをとても大切に考えておりますが、とりわけ日赤医療センターとは現在良好な関係を築いており、今後も更に深めていきたいと考えています。