院長コラム

思春期女性の月経周期異常の考え方

思春期はホルモン環境や卵巣が発達途上であるため、多くの方の場合、初経後3年程は月経周期が安定しません。
その後、ほとんどの方は成長とともに月経周期が安定しますが、数%の方に月経周期異常が認められます。
今回は、「産婦人科の実際 2026年9月号」を参考に、思春期女性の月経周期異常について情報共有致します。

〇初経後1年未満の方
性成熟女性の月経周期は25∼38日が正常と言われていますが、初経後1年未満の場合は月経が不規則であっても、それは正常な思春期変化と考えられています。
女性ホルモンは、脳にある視床下部から下垂体へ、そして下垂体から卵巣へ各種ホルモンを介して指令を出し、卵巣で分泌されます。
しかし、この一連の流れが未熟であると、女性ホルモンの分泌や排卵にトラブルが生じ、月経が不順になります。

〇初経後1∼3年未満の方
この時期に、視床下部-下垂体-卵巣のホルモンを介した連携が成長し、月経周期も規則的になっていきます。
この時期の月経周期異常の定義は、21日未満または45日超えた場合となっており、初経後1年以上経過している場合には、90日を超える無月経が1回でもあれば異常とされています。
当院では、この時期の月経周期異常、特に90日以上の無月経の場合には、各種ホルモン検査を行い、必要に応じてホルモン剤・漢方薬などを用いた治療を行っています。

〇初経後3年以上経過している方
多くの方は初経後2∼3年で月経周期が規則的になるため、3年以上経過しても月経周期異常が持続する場合は、成長過程の生理的な変化だけでなく、病気が隠れている可能性も否定できません。
したがって、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などによる排卵障害の可能性を考え、各種ホルモン検査に加えて、超音波検査による子宮・卵巣の形態的な異常の有無を確認します。
当院では、諸検査の結果を踏まえて適切治療を行い、思春期以降もできるだけ長期にわたって経過観察させて頂いています。

思春期の月経周期異常は、将来の妊娠・出産に影響を及ぼす可能性があり、特にPCOSの方の場合、糖尿病・子宮体がん・心血管疾患などとの関連も知られています。
長期的な生活習慣が卵巣機能や代謝に影響を及ぼすため、思春期から健康的な食事・運動・睡眠の習慣を心掛けるようにしましょう。
その上で、初経後2∼3年経過しても月経周期が安定しない方は、婦人科クリニックの受診をお勧めします。