院長コラム

年末年始は当院でも“緊急避妊法”の対応ができない旨、ご了承下さい

当院は2019年12月29日から2020年1月3日までの6日間は休診となります。この期間は、当院通院中で異常な症状がみられる妊婦さんを優先的に診察するため、緊急避妊などの自由診療の患者さんは診察しておりません。
今回は、妊娠を望まないカップルに向けて、年末年始のセックスに関する注意事項をお伝えします。

 

 

年末年始の休日診療の施設では、原則として緊急避妊薬は扱っていません

緊急避妊法は、避妊をせずに性交した後、72時間以内に緊急避妊薬(レボノルゲストレル錠1.5mg)を1錠服用して頂くことが原則になります。
当院は12月28日土曜日の11:30までが予約外患者さんの受付ですので、それまでにご来院下さい。たとえば、12月24日火曜日クリスマスイブの夜(18:00以降)に避妊せずに性交した場合、12月27日の17:30の受付時間までに受診して頂ければ間に合います。尚、性交後早ければ早いほど緊急避妊薬の効果が高いため、ご都合がよければ性交の当日や翌日の診療時間内に受診して頂くことが理想的です。

当院の場合、年始は1月4日土曜日から診療が始まります。計算上は1月1日朝の9時頃性交をもたれた場合でも4日9:00の診療開始時間に間に合いますが、この日は予約の患者さんで大変混んでいますので、実際に予約外患者さんの診察が始まるのはお昼近くになると思います。更に4日の診療は午前中のみであり、翌5日は日曜日になります。薬剤の在庫を考えても、通常の診療は1月6日からとお考え頂ければと思います。
尚、当院を受診される前に、緊急避妊薬の在庫があるかどうか、診療時間内にあらかじめお電話でご確認頂きますよう、お願い致します。

 

 

年末年始の性交は確実な避妊を

当院を含め、日頃緊急避妊の対応をしている施設の多くは、年末年始は休診となっています。また、緊急の患者さんのために休日診療している大学病院や国立病院などの大病院などでは、初めから緊急避妊の診療をして頂けません。つまり、妊娠を望まないカップルは、年末年始に避妊をしないでセックスをしてしまった場合、緊急避妊法に頼れないとお考え下さい。

日頃から経口避妊薬(OC)あるいは月経困難症治療として低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP)を服用している方、子宮内避妊具(IUD)や黄体ホルモン放出の子宮内システム(IUS)を挿入している方以外は、セックス自体をしないことが無難です。やむを得ない場合には、せめてパートナーにコンドームを確実に装着してもらいましょう。

 

 

コンドームの避妊効果を信用し過ぎない

ただし、性感染症予防には有用なコンドームですが、避妊法としてはOCなどと比べると、あまり確実なものではありません。ある調査によると、そもそも緊急避妊外来を受診された理由が、「コンドーム破損」約30%、「コンドーム脱落」約15%、「コンドーム腟内残留」約7%となっています。もちろん、性感染症予防のため、性行為の際にコンドームを装着することは必須ですが、適切に使用しないと全く意味がありません。
ほぼ100%男性に依存せざるを得ないコンドームですが、貴女の彼氏は、丁寧で、慎重で、器用で、自制心の強い男性でしょうか?

 

 

12月28日土曜日から1月3日金曜日までは、妊娠を望まないカップルにとって“危険な1週間”となります。
楽しい冬休みや正月休みに水を差すようで誠に恐縮ですが、「緊急避妊ができない」という緊張感をもってセックスに臨むようにしましょう。