院長コラム

妊娠週数の数え方 ~妊娠後期編~

今回は前回に引き続き、2022年1月1日(土曜日)に最終月経が始まった、月経周期28日型の方を例に、妊娠後期の妊娠週数の数え方をお伝え致します。

 

7月16日“妊娠28週0日”「妊娠8か月」および「妊娠後期」開始

消炎鎮痛剤の中にはロキソニン錠など、妊娠後期、つまり妊娠28週以降の使用ができない薬剤があります。
アセトアミノフェン(カロナール錠)は、妊娠の全期間通じて比較的安全な薬剤ですが、妊娠後期はできるだけ必要最小限の服用が勧められます。
また、妊娠28週の健診にて“逆子”になっていた場合、当院では逆子体操の指導などを行っています。

 

7月30日“妊娠30週0日”

当院では、妊娠30週頃に超音波による妊娠後期胎児スクリーニング検査を行っています。
また、妊娠30週の健診にて“逆子”になっていた場合、帝王切開の可能性を考え、国立東京医療センターなどに紹介させて頂いております。
尚、当院で里帰り分娩をご希望される場合は、妊娠30週頃までにお戻り頂くよう、宜しくお願い致します。

 

8月13日“妊娠32週0日”「妊娠9か月」開始

当院で妊婦健診をされている方で、分娩は他施設(帰省先、近隣の高次施設など)の場合は、原則として妊娠32週頃に情報提供書をお書きし、妊娠34週頃から分娩施設へお戻り頂くようにしております。

 

9月10日“妊娠36週0日”「妊娠10か月」開始

当院では、母児に異常がない場合、妊娠36週0日以降の分娩を取り扱っています。
妊娠35週6日までに分娩になりそうな切迫早産の方は、近隣の高次施設へ紹介させて頂いております。
尚、当院では妊娠36週から妊娠40週までは週に一回妊婦健診を行っています。

 

9月17日“妊娠37週0日”

妊娠37週0日以降、妊娠41週6日までの分娩を正期産といいます。
当院では37週の妊婦健診の際、胎児胎盤の機能を観察するために、分娩監視装置を用いた“ノンストレス・テスト”を行っています。

 

10月8日“妊娠40週0日”分娩予定日

最終月経の開始日を妊娠0週0日、排卵日を妊娠2週0日とした場合、妊娠40週0日が分娩予定日となります。
当院では、分娩予定日になってもお産にならない方に対して、週に2~3回、ノンストレス・テスト、超音波検査などで胎児胎盤の機能を評価し、必要であれば分娩誘発を検討します。

 

10月15日“妊娠41週0日”

妊娠41週を過ぎると胎児胎盤の機能が低下するといわれており、当院では原則として妊娠41週台までに分娩誘発を行っています。
10月22日妊娠42週0日以降は“過期妊娠”となり、分娩後は赤ちゃんに対し、新生児科医の診察が望ましいといわれています。
そのため当院では、陣痛促進剤を使用しても妊娠42週未満に分娩しない場合は、高次施設へ紹介しております。

 

最近は“妊娠〇〇か月”という言い方はほとんどせず、“妊娠○○週○日”でお伝えすることがほとんどです。
複雑なルールですが、ポイントとなる週数をご確認頂きましたら幸いです。