院長コラム

妊娠中に気を付けた方がいい食品は?

妊娠中は赤ちゃんの健康のためにも、安全なお産のためにも、食生活に注意されている方も多いと思います。
しかし、適切な栄養摂取のために良かれと思って選んでいる食品が、実は母児にとって避けた方がいい場合もあります。
今回は、「ウィメンズヘルスケアのための薬の使い方」(月刊薬事 2024年1月臨時増刊号)を参考に、妊娠中に気を付けた方がいい食品について、情報共有したいと思います。

大型魚介類:メチル水銀が多く含まれているかも
魚介類には良質なたんぱく質、不飽和脂肪酸、鉄分、カルシウムなどが含まれており、妊婦さんには嬉しい食品です。
ただし、クジラ、イルカ、マグロなどの大型魚介類には、多くの水銀を含んでいる可能性があります。
水銀の中でも、メチル水銀(有機水銀化合物)は毒性が強く、胎児の中枢神経系に影響を及ぼします。
できれば、1回80gとして、キンメダイ・メカジキ・クロマグロ・メバチマグロは週に1回まで、マカジキ・ミナミマグロ・クロムツは週2回までにしておきましょう。

ナチュラルチーズ:リステリア感染に注意
リステリア属菌は、冷蔵庫内の低温でも増殖可能であり、加熱していない食品や加熱が不十分な食品を摂取することで感染します。
妊娠中に感染すると、流早産の原因になったり、胎児へ影響を及ぼす可能性があります。
ナチュラルチーズ以外にも、スモークサーモン・生ハム・肉や魚のパテなどは避けて、できるだけ加熱して食べるようにしましょう。

加熱不十分な肉・魚介類:各種病原体による食中毒
トキソプラズマ原虫という寄生虫は、加熱が不十分なブタやヒツジの肉、ネコの糞便に含まれている事があり、妊娠中に初めて感染してしまうと、流早産や胎児水頭症などを引き起こす可能性があります。
魚介類には腸炎ビブリオ菌、ノロウイスル、アニサキスといった病原体が含まれている可能性があります。
妊婦さんの場合、その他の肉類も、魚介類も、しっかりと加熱してから召し上がるようにして下さい。

妊娠していない時には、あまり気にならない食品や調理法も、妊娠中は注意しないといけないことが少なくありません。
とは言え、気にし過ぎて食品が偏ってしまうと、タンパク質、ビタミン、ミネラルの摂取が不十分になる可能性があります。
妊娠中は、様々な食材を十分加熱して、適切量を召し上がって頂くよう、心がけて頂ければと思います。