院長コラム

女性のライフステージごとによくみられる疾患

女性の生涯は、エストロゲンという女性ホルモンの推移によって、小児期・思春期・性成熟期・更年期・老年期に分けられます。
そして、そのライフステージごとに特徴的な疾患があります。
今回は、思春期・性成熟期・更年期以降によくみられる疾患について紹介します。

思春期(8~18歳頃)
8歳頃からエストロゲン分泌が増加し始め、初経を認める12歳頃から18歳にかけて急増します。
初経後数か月すると、月経時の下腹部痛・腰痛・嘔気・嘔吐・下痢といった症状がみられる事が多く、これを機能性月経困難症(明らかな骨盤内の病変がない)といいます。
また、14∼15歳頃から、月経前のいらいら・抑うつ・乳房痛・腹部膨満感・便秘などの月経前症候群(PMS)で悩む方も増えていきます。
尚、思春期女性には過度なダイエットや激しい運動による体重減少性の月経不順・無月経が多く、適切な食生活といった生活習慣を身に付けるべき、大切な時期であると考えます。

性成熟期(18歳頃~40歳代)
思春期を超えて性成熟期に入ると、多くの場合卵巣機能が安定し、妊娠するかどうかを検討するステージに入ります。
この時期にも月経困難症を認める方は多いですが、機能性月経困難症に加えて、子宮内膜症などの疾患が原因の器質性月経困難症が増える事が特徴であり、不妊症に繋がるケースもあります。
さらに、子宮筋腫や子宮腺筋症がみられる様になり、過多月経・過長月経で経血量が多くなると、鉄欠乏性貧血になる方も少なくありません。
この時期は、就職・結婚・妊娠・出産・育児など大きなライフイベントを立て続けに経験する女性も多く、心身の様々なトラブルに対応していく必要があります。

更年期以降(40歳代以降)
多くの場合、40歳代になると卵黄機能が低下し始め、エストロゲン分泌が揺らぎながら低下していきます。1年間月経が来なくなった状況を閉経(50歳頃)といい、その前後5年間(約10年間)を更年期と言います。
更年期に入ると、ほてり、発汗、動悸、抑うつ、いらいら、倦怠感、肩こり、関節痛といった心身の多彩な症状、つまり更年期症状がみられます。更年期症状が日常生活に支障をきたす程に悪化する場合を更年期障害といい、生活の質や仕事のパフォーマンスを著しく低下させます。
閉経以降になると、骨粗しょう症・閉経関連泌尿性器症候群(GSM)・尿トラブル(腹圧性尿失禁・過活動膀胱など)に悩む方が増加します。

思春期の婦人科的トラブルは、性成熟期(妊娠期を含む)に影響します。
性成熟期の生活習慣は、更年期以降に繋がります。
それぞれのライフステージで気になる症状がみられましたら、早めに産婦人科クリニックを受診しましょう。