院長コラム

乳腺炎・乳頭痛などで使用する鎮痛剤

当院では母乳外来も行っているため、乳腺炎や乳頭痛で困ってらっしゃる授乳婦さんもご来院されます。
助産師による乳房マッサージや授乳指導でも乳房痛や乳頭痛が持続する場合、当院では鎮痛剤を処方しています。
今回は「臨床婦人科産科 2026年8月号」を参考に、授乳中に使用する鎮痛剤について、情報共有致します。

NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
NSAIDsの内服薬は授乳中でも服用可能です。
当院で処方することが多いロキソニン錠も、乳汁中の薬剤の成分濃度は検出できないレベルであり、摂取した赤ちゃんの健康被害は報告されていません。
また、授乳中の筋肉痛や関節痛の方には、ロキソニンテープなどNSAIDsの外用剤を使用しています。外用剤は全身吸収量が少なく、母乳を介して赤ちゃんが摂取する量もごくわずかであるため、赤ちゃんへの影響は心配ありません。

アセトアミノフェン
アセトアミノフェンは、妊娠中に比較的安心して服用できる鎮痛薬であり、妊娠中に服用していた方で、産後手元にアセトアミノフェン(カロナール錠など)が残っている方もいらっしゃると思います。
アセトアミノフェンは小児にも適応がある薬剤であり、乳汁移行も少なく、胎児への影響も少ないことが知られています。
母乳外来を受診されるに、乳房痛や関節痛、頭痛などが気になる方は、手持ちのアセトアミノフェンを服用して頂いて大丈夫です。

NSAIDsは妊娠中の服用に注意が必要で、特に後期に服用が禁忌であるロキソニン錠も、授乳中の服用は問題ありません。
カロナール錠も服用可能ですが、鎮痛効果が弱いと感じられる事もあります。
鎮痛剤に関しては授乳中あまり心配しなくても大丈夫ですので、痛みを我慢せずに、必要に応じて積極的に使用するようにしましょう。