院長コラム

思春期女性に処方することが多い漢方薬

12歳から18歳ごろの思春期は、エストロゲンという女性ホルモンが激しく揺らぎながら増加していく“心身の成長期”です。
このような変化の激しい時期は、月経困難症・月経不順・月経前症候群(PMS)など、ホルモンに関連する症状に悩まされる方も少なくありません。
今回は、思春期の様々なトラブルに対して、当院が処方することの多い漢方薬について、情報共有致します。

当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
婦人科で処方される漢方薬の中で、最も多く有名なのが当帰芍薬散ではないでしょうか。
性成熟期から更年期にかけての成人女性に使用することが多いですが、月経困難症・月経不順に悩む、比較的体力が乏しくてやせ型の思春期女性にも有用です。
筋肉の緊張をほぐし、血行を促進させ、冷えやむくみ、めまい、肩こり、頭痛の改善も期待できます。

加味逍遙散(カミショウヨウサン)
月経トラブルに悩む虚弱な女性の中でも、特に精神症状が強い方に処方することが多いのが加味逍遙散です。
当院では、いらいら・抑うつ・不安感・不眠など、様々な精神症状がみられるPMSに対して第一選択で処方しています。
その他、肩こり、めまい、耳鳴り、頭痛、便秘に対しても効果が期待できます。

五苓散(ゴレイサン)
PMSとして、むくみや頭痛、嘔気などを認める方がいらっしゃいますが、体内の水分バランスを整える作用を待つ五苓散を連続あるいは頓用で服用する事で、症状が軽減することがあります。
特に、天気痛といって、低気圧の接近によって頭痛などの体調不良が悪化する場合は、試してみてもいいでしょう。
その他、水様性の下痢や急性胃炎(胃の中に水が溜まっている感じ)などの消化器症状にも有効です。

以上の漢方薬のほか、立ちくらみ、動悸やめまいが強い方には苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)、不安感・抑うつ・不眠がみられる方には加味帰脾湯(カミキヒトウ)、いらいらしがちで不眠の方には抑肝散(ヨクカンサン)または抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)を使用することがあります。
今回挙げた漢方薬は、若い方でも比較的飲みやすい薬剤で、継続しやすいと思います。
現在、低用量ピルなどのホルモン剤や向精神薬を服用している方で、今一つ症状の改善が弱い場合には、漢方薬の併用もご検討下さい。