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院長コラム

当院における母乳トラブルに関する対応

当院では、母乳外来において助産師による乳房マッサージを行っています。
その際、精査や治療が必要と思われる方に対しては医師が診察し、必要に応じて乳腺科のクリニックへ紹介しております。
今回は、「産婦人科診療ガイドライン産科編2020」の内容を交えながら、当院における母乳トラブルに関する対応を説明します。

 

乳房緊満の対応

乳房緊満は乳房痛や硬結をきたす状態で、産褥1週以内に発生してくることが多いといわれています。乳汁の排出不全が原因であるため、乳管が開通し、乳汁分泌がスムースに行われるようになると症状は軽快します。
当院では妊娠中から乳房自己マッサージを指導し、分娩後はマンツーマンで授乳指導を行っており、乳汁うっ滞や乳腺炎にならないよう乳房ケアに取り組んでいます。

 

乳腺炎の対応

乳腺炎にはうっ滞性乳腺炎(非感染性)と化膿性乳腺炎(感染性)がありますが、その区別は非常に困難です。
当院では、圧痛、熱感、発赤、腫脹、発熱が軽度であり、悪寒や全身の痛みがみられない段階は、うっ滞性乳腺炎として対応し、ロキソニン錠などの消炎鎮痛剤や葛根湯などの漢方薬を使用しています。
一方、圧痛、熱感、発赤、腫脹、発熱が増強し、悪寒や全身の痛みがみられ始めた場合は、化膿性乳腺炎として対応し、病変側の乳汁培養検査を行いながら、消炎鎮痛剤に加えてメイアクト錠などの抗生剤を投与しています。

 

乳腺膿瘍の対応

当院では、乳腺炎が疑われる方全例に乳房の超音波検査を行っており、乳瘤(母乳のたまり)や乳房膿瘍(膿のたまり)がないかどうか確認します。
もし、乳房膿瘍と思われる像がみられた場合は、超音波で確認しながら膿瘍部に針を刺して吸引します。膿汁が確認された場合は培養検査を行い、適切な抗生剤を投与します。
膿瘍があまり大きくなければ吸引による排膿で終了しますが、膿瘍が大きい場合や、穿刺だけでは排膿しきれない場合は、切開して排膿する必要があります。その際は、近隣の乳腺科の専門施設へ紹介しております。

 

乳房トラブルは産後のお母さんの心身に大きな影響を与えます。
自己流の乳房管理では乳腺炎を悪化させてしまう可能性があります。
もし、乳房痛が増悪するでしたら、早めにお近くの母乳外来にお問い合わせ下さい

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