妊娠希望がある方の月経困難症に対する薬物治療|世田谷区の産科・婦人科

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院長コラム

妊娠希望がある方の月経困難症に対する薬物治療

現在、月経困難症の治療として低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)が主流となっています。しかし、LEPは経口避妊薬と同じく排卵を抑制する作用があるため、避妊したい方には大変有用ですが、すぐにでも妊娠をご希望されている方には望ましくありません。
今回、「女性内分泌クリニカルクエスチョン」(診療と治療社)などを参考に、妊娠をご希望されている方の月経困難症に対する薬物療法について説明します。

 

 

○ 非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)

子宮の内側には内膜という組織があり、これが剥がれて流れる現象を月経といいます。この子宮内膜でプロスタグランディン(PG)という物質が産生されますが、これが子宮収縮や疼痛の原因になります。NSAIDsは、この痛み物質であるPGの合性を阻害することによって、鎮痛効果を発揮します。

NSAIDsは機能性月経困難症を訴える女性の約80%に有効といわれています。できるだけPGを合成させないようにするためには、月経が開始する前日から数日間服用するといいようです。当院では主に、ロキソニン錠、ボルタレン錠を処方しています。

 

 

○ ブスコパン

月経痛の原因である子宮筋の過剰な収縮を抑えるためには、ブチルスコポラミン臭化物(ブスコパン)が有効です。月経時には、PGの影響で消化管の収縮も強くなり、腸ぜん動痛や下痢がみられることも少なくありません。そのような時にも、胃腸の筋肉の過度な収縮を抑えるためブスコパンを使用することがあります。

 

 

○ デュファストン

黄体ホルモン剤であるデュファストンは、LEPとは異なり排卵を抑制することはないため、妊娠を希望している方にも使用できます。黄体機能不全の治療薬でもあるため、服用中に妊娠したとしても、胎児への安全性に問題はありません。排卵・月経を認めながら月経痛の緩和を期待できるホルモン剤ですが、PG合成抑制作用はLEPと比べて弱いと思われますので、デュファストン単独ではなく、他剤との併用がいいかと思われます。

 

 

○ 漢方薬

芍薬という生薬はPG産生抑制作用がみられるため、月経痛の緩和に大変有効です。当院では、芍薬が含まれている芍薬甘草湯を月経開始5日ほど前から月経開始後数日まで、7~10日間連日服用して頂きます。
また、当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸なども体質や症状に合わせて処方しますが、これらは月経時期にこだわらず、連日服用して頂きます。

 

 

実際には月経困難症に対して、上記薬剤を組み合わせながら対応しますが、妊娠すること自体が月経痛の治療となります。
すぐに妊娠を希望されている方に対しては、当院でのタイミング指導や、不妊専門クリニックへの紹介など、妊娠に向けて積極的にサポートしております。

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