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院長コラム

妊娠中のマイナートラブル対策

妊娠するとホルモン環境や体重・体格の変化などにより、様々な症状がみられます。
母児の健康に大きな影響を及ぼす症状については、積極的な治療を行うことが必要です。
しかし、重篤な影響を及ぼすことはない軽度な症状であったとしても、それを改善していくことは快適な妊娠生活を送る上で大切です。
今回、妊娠中のマイナートラブル対策について、「周産期医学 2020年12月号」(東京医学社)を参考にお伝え致します。

 

  • 鼻出血

妊娠すると母体の循環血液量が増加するため、血管壁にかかる圧力が高まります。
さらに、胎盤から分泌されるプロゲステロンというホルモンの作用で、鼻粘膜の血流が増加し血管が拡張するため、鼻出血が生じやすくなります。
通常は鼻を抑えて安静にすることで、数分で止血します。もし、20分以上経過しても止血しない場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。

 

  • シミ、妊娠線

胎盤から分泌されるエストロゲンは、皮膚のメラノサイトという細胞を刺激し、メラニン色素を増加させることが知られています。
特に、腋、腹壁、乳頭、陰部などに色素沈着が起きますが、これは生理的な変化であり、通常は産後徐々に薄くなってきます。ただし、露出した皮膚のシミは紫外線によって増悪するため、紫外線対策は心がけましょう。
また、下腹部、乳房、大腿の急激な増大によって皮膚組織が進展し断裂することがあります。これを妊娠線と言い、妊娠中は赤褐色のひび割れのような線に見え、産後は白色のしわになります。
対策としては、保湿クリームを使用することで皮膚の保湿に努め、適切な食事と運動にも心掛け、急激に体重が増加しないように注意しましょう。

 

  • 息切れ、動悸

プロゲステロン増加による自律神経失調、貧血、増大した子宮による横隔膜の圧迫、循環血液量の著明な増加など、様々な要因により心臓の負担が増して、息切れや動悸をきたすことがあります。
多くは生理的なもので安静で軽快しますが、貧血がみられる場合には鉄剤内服で経過観察致します。
症状が改善しない場合は心疾患、甲状腺機能亢進症などの内科的疾患の鑑別のため、専門医の診察をお勧めします。

 

その他にも胸焼け、腰痛・肩こり、四肢のしびれなど、妊娠中には様々なマイナートラブルがあります。
その多くは生活習慣の見直しなどで自然に軽快しますが、中には薬物療法が有用であることも少なくありません。
生活に支障をきたす症状であれば、是非ご相談下さい。

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