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院長コラム

多嚢胞性卵巣症候群と診断された方の中高年以降の注意点

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは、月経異常(無月経、無排卵、月経間隔の延長など)があり、超音波検査による多嚢胞卵巣(多数の小卵胞)が認められ、血液検査で特徴的なホルモン異常がみられる病気です。
生殖年齢女性の5~8%に認められ、無月経や不妊症などの原因にもなることから、思春期から性成熟期に診断されることが多いと思われます。
ただし、PCOSと診断されたことがある方は、中高年以降も注意が必要です。今回はこの点について、「女性医学ガイドブック 思春期・性成熟期編 2016年度版」などを参考に説明します。

 

脂質異常症に注意!

PCOS女性とPCOSではない女性と比較したところ、総コレステロール、中性脂肪、LDLコレステロール(悪玉)の値が、全ての年代においてPCOS女性の方が高いとの報告があります。
さらに、全ての女性は40~59歳に比べて、61~79歳では中性脂肪・LDLコレステロールは増加し、HDLコレステロール(善玉)は減少しますが、特に中性脂肪は、PCOS女性の方がPCOSではない女性よりも増加幅が大きいとのことです。

 

糖尿病に注意!

全ての年代において、PCOS女性の空腹時血糖、インスリン(血糖値を下げ、体脂肪を増やすホルモン)値は、PCOSではない女性の値と比べて高いとの報告があります。
また、全ての女性は40歳以降、空腹時血糖値が増加しますが、PCOS女性の方が、その増加幅が大きいようです。
さらに、更にPCOS女性はPCOSではない女性に比べて、すでに40~59歳において糖尿病の罹患率が高くなっているとのことです。

 

高血圧・心血管系疾患に注意!

高血圧に関しては、35~44歳ですでにPCOS女性はPCOSではない女性に比べて罹患率が高く、45歳以上では高血圧発症リスクが2倍近く高くなるとの報告もあります。
また、動脈硬化の指標である頸動脈内膜中膜複合体の厚さは、45歳以上でPCOS女性の方が厚くなっているそうです。
さらに、心筋梗塞や狭心症などの心血管系疾患の発症リスクは、PCOS女性の方がPCOSではない女性に比べて約2倍高いとの報告があります。

 

以上のように、PCOS女性は心血管系疾患、糖尿病、高血圧症のリスクを抱えています。
肥満の方はもちろんですが、肥満でなくても注意が必要です。
PCOSと診断された方は、特に40歳以降、内科的な健康診断を定期的に受け、生活習慣を見直し、疾患予防を心掛けましょう。

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