HOME > 院長コラム > 分娩誘発における子宮頚管熟化の評価と対応

院長コラム

分娩誘発における子宮頚管熟化の評価と対応

陣痛促進剤を用いて分娩誘発を行う際、子宮頚管熟化の評価は非常に重要です。
頚管が熟化しているほど分娩誘発の成功率が高くなるため、陣痛促進剤を使用する前に、いかに頸管を塾化させるかがポイントになります。
今回は、当院における子宮頚管熟化の評価と対応について説明します。

 

ビショップ・スコアについて

「ビショップ・スコア」とは、最も広く使用されている子宮頚管の熟化評価法です。
以下の表を参考に、5項目のスコアを合計し、13点満点で評価します。通常、9点以上を「良好」、6点以下を「不良」、3点以下を「特に不良」と評価することが多いようです。

 

スコア 0     1 2 3
開大(cm) 閉鎖 1~2  3~4 5≦
展退(%) 0~30 40~50 60~70 80≦
児頭下降度 -3 -2 -1 +1  +2
硬度
子宮口の位置 後方 中央 前方

 

子宮口閉鎖・展退0~30%・-3・硬・後方(スコア0点)の場合

頚管を熟化させることを第1の目的とするため、「ラミナリア」「ラミセル(3mm)」といった頚管拡張剤を子宮頚管に挿入し、留置します。特にラミセルの場合、数時間で1cm程度に開大する可能性があります。

 

子宮口1~2cm・展退0~30%・-3・硬・後方(スコア1点)の場合

子宮口が1cm程度開大している時は、「ミニメトロ」を挿入し、約40mlの滅菌水を注入して留置します。ミニメロトの留置だけでも頚管が熟化することもありますが、ほとんどは他の方法を併用することになります。
当院では、ミニメトロ留置後に分娩監視装置を装着し、約1時間経過した時点で問題がないことを確認すれば、「プロスタグランジンE2(PGE2)錠」の服薬を開始します。
PGE2は子宮収縮作用だけでなく頚管熟化作用を有しているため、ミニメトロとの相乗効果が期待できます。尚、PGE2錠は1錠ずつ1時間ごとに服用し、1日最大6錠まで服用が可能です。

 

子宮口3~4cm・展退60~70%・-2・硬・後方(スコア5点)の場合

子宮口がある程度開大し、展退もよくなってきたとしても、まだ硬くて後方の場合はPGE2の内服から開始します。もし、2~3錠の服薬で熟化が進めば、子宮収縮作用を持つ「オキシトシン」の点滴投与に切り替えることがあります。

 

子宮頚管が未熟の場合、1日目はミニメトロ・PGE2内服により熟化を促し、2日目にオキシトシン点滴による促進剤を行うことも少なくありません。
特に初産婦さんの場合は、無理せずゆっくり熟化を進めます。
一方、経産婦さんの場合は、多少頸管が未熟であっても、オキシトシン点滴が奏功することもあります。
ほかにも、年齢、体格、胎児の推定体重などを考慮し、より安全な分娩誘発を心掛けています。

ページトップへ