ホルモン補充療法(HRT)に関するQ&A|世田谷区の産科・婦人科「冬城産婦人科医院」

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院長コラム

ホルモン補充療法(HRT)に関するQ&A

更年期障害に対して大変有効なHRTですが、多くの不安から治療を躊躇されている方がいらっしゃいます。今回は、「ホルモン補充療法(HRT)がよくわかるQ&Aハンドブック2019」(女性の健康とメノポーズ協会編集制作)を参考に、質問に対する当院としての回答をお示し致します。

 

 

Q1 まだ完全に閉経していないが、のぼせ、ほてり、発汗などの症状に対して、HRTを開始することは可能か?

 

閉経とは、前回月経があってから1年以上無月経が続いた状態を指しますが、完全に閉経とはいえない状況でも、のぼせ、ほてり、発汗などの更年期症状を認めることは少なくありません。その場合、当院ではエストロゲン(E2),卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺ホルモンなどのホルモン値を血液検査で測定します。

E2が20pg/ml以下にまで低下しており、FSHが40mIU/ml以上に上昇していれば、事実上卵巣機能が低下した閉経状態と判断し、HRTを開始します。
もし、E2が20pg/ml以上で卵巣機能が保たれている状況であれば、HRTを行ってもあまり更年期障害の改善効果が期待できないため、漢方薬(当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸など)や自律神経調整薬(グランダキシン錠)、プラセンタ注射(メルスモン注)などで治療致します。

また、甲状腺機能亢進症あるいは低下症の場合、更年期障害のような症状を認める事があります。もし甲状腺機能異常が疑われた場合は、卵巣機能低下の有無にかかわらず、近隣の内分泌がご専門のクリニックへ紹介致します。

 

 

Q2 HRTによる不正出血を止める方法はないか?

 

不正出血は、子宮がある方にHRTを行った場合、比較的高頻度に見られ、使用した薬剤の種類や投与量、投与方法に関係なく発生します。特に、HRTを開始して3か月以内に出血が見られることが多く、子宮内膜が萎縮する6か月から1年以内に消失することが一般的です。

もし、出血量が多い場合や6か月以上経過しても出血が見られる場合には、子宮体がんの有無を確認するために、子宮内膜細胞診または組織診を行うことがあります。子宮内膜の検査で異常なく、日常生活に支障を来たすような不正出血が持続する場合は、使用薬剤・投与方法などを変更して経過観察します。

例えば、エストロゲン製剤の内服薬であるジュリナ錠0.5mg2錠を服用している場合、1錠に減量することや、反対に1錠服用の場合には、2錠に増量することがあります。また、子宮内膜の増殖予防で服用する黄体ホルモン製剤の種類を、デュファストン錠からプロベラ錠に切り替えることもあります。さらに、内服薬からメノエイドコンビパッチなどの貼付剤に変更することや、反対に貼付剤・ゲル剤といった経皮製剤から内服薬に変更するケースもあります。

ただし、どの薬剤・投与方法が不正出血を最も改善できるか、といった決定的な方法はないため、実際に試しながらご本人にとって効果が高く、副作用が少ない方法を探るしかありません。

 

 

HRTは更年期障害・閉経後骨粗しょう症の第1選択となる治療法であり、中高年女性のQOL(生活の質)向上には欠かせません。これからもガイドラインに則りつつ、個々の症状や生活に合わせて、安全かつ効果的にHRTを施行して参ります。

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