「フラジール」の使い方~腟トリコモナス症と細菌性腟症~|世田谷区の産科・婦人科「冬城産婦人科医院」

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院長コラム

「フラジール」の使い方~腟トリコモナス症と細菌性腟症~

原虫治療薬であるメトロニダゾール(商品名:フラジール)には内服薬と腟錠があり、どちらも腟トリコモナス症と細菌性腟症に適応があります。しかし、その使用方法は両者で若干異なっています。
今回は、「産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2020」(日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会編)を参考に、腟トリコモナス症と細菌性腟症に対するフラジールの使い方について説明します。

 

 

腟トリコモナス症に対する治療法

腟トリコモナス症は腟トリコモナス原虫による感染症で、黄白色帯下の増量や外陰部のかゆみなどが主な症状ですが、感染者の約10~20%は無症状であるといわれています。主に性行為で感染しますが、感染者とのタオルの共有など性交以外でも感染する可能性があります。

治療にはフラジールの内服薬、腟症のどちらも使用しますが、トリコモナスが腟だけでなく尿路などにも感染している可能性があるため、内服薬による全身投与を第一選択とします。

内服方法は、フラジール内服薬を1回1錠、1日2回を10日間服用して頂きます。追加治療が必要な場合は1週間あけてから服薬を再開します。
また、腟錠を用いる場合は1回1錠、1日1回を10~14日間腟内投与します。

治療後は腟内にトリコモナス原虫がいないことを確認する必要があります。パートナーも泌尿器科で治療して頂き、お互いが治癒するまでは性交を控えましょう。

 

 

細菌性腟症に対する治療法

細菌性腟症とは、体調不良などで腟内の善玉菌(乳酸桿菌)が減少し、大腸菌やガードネレラ菌などの様々な雑菌が異常増殖した状態です。体調が回復すれば善玉菌が増殖し、自然に雑菌が減少することも期待できますが、帯下が多い場合には薬物治療することが効果的です。

細菌性腟症は腟内のみの病変であるため、フラジール腟錠が第一選択となり1回1錠、1日1回7~10日間の腟内投与(腟トリコモナス症の治療法よりやや短期間)が推奨されています。
腟錠で改善できない場合は、フラジール内服薬1回1錠、1日3回を7日間、または1回2錠、1日2回を7日間服薬(腟トリコモナス症の治療法と異なります)して頂きます。

尚、妊娠中の細菌性腟症は早産や破水の原因になることがあります。特にガードネレラ菌がみられた場合はフラジール腟錠による治療を行います。また、内服薬は原則として妊娠3か月までは禁忌となっていますが、それ以降は服薬可能ですので必要に応じて処方することがあります。

 

 

ちなみに、フラジール内服薬服用中にアルコールを摂取すると、激しい腹痛や嘔吐などの症状に襲われることがありますので、服用中および服用後3日間の飲酒は避けるようにしましょう。

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