院長コラム

HPV(ヒトパピローマウイルス)感染が関係する病気

HPV感染が子宮頚がんの原因の一つであることは、多くの方に知られるようになりました。
ただし、“HPV感染による病気は、女性だけが関係している”と誤解されている方もいらっしゃるようです。
今回は、HPV感染が原因の病気ついて、情報共有致します。

そもそもHPVとは?
HPVは、様々なイボやがんの原因となるウイルスで、200種類以上の型があり、発がん性のあるハイリスクタイプ約14種類と言われています。
HPVはあまり珍しいウイルスではなく、ある調査によると、男性の90%以上、女性の80%以上の方が、生涯で一回は何らかのHPVに感染すると言われています。
ただし、通常は免疫力によってウイルスを排除するため病気にならないのですが、何らかの原因により免疫力が働かず、長期間にわたり感染状態が継続すると、様々な病気になってしまう可能性が高まります。

女性の場合は「子宮頚がん」に注意
子宮頚がんとは、子宮頚部(子宮の出口)に発生するがんで、わが国で年間10,000人がかかり、2,900人が亡くなっている怖い病気です。
ハイリスクHPVの持続感染が主な原因で、20~30歳代に急増しており、妊娠・出産年齢と子宮頚がんの好発年齢が近いことも、子宮頚がんの問題点の一つです。
20歳以上で性交経験のある方は、定期的な子宮頚がん検診を受けることで早期発見・早期治療は期待できます。
ただし、そもそもハイリスクHPVに感染しないよう、性交経験前にHPVワクチンを接種することは、子宮頚がんから身を守る最も効果的な予防法と言えます。

「尖圭コンジローマ」は良性疾患だが、男女ともに要注意
HPVの内、ハイリスクでない2つの型が原因の感染症に、尖圭コンジローマがあります。性器や肛門周囲に鶏冠のようなイボをきたす病気で、男女ともに感染する可能性があります。
尖圭コンジローマ自体は、がんではなく、激しい症状もありませんが、治療しても再発する可能性が高く、厄介な性感染症の一つです。
また、妊婦さんが産道に尖圭コンジローマが存在している場合、経腟分娩を行ってしまうと児の咽頭部に感染し、いずれイボが発生し呼吸障害をきたしてしまう可能性があります。

上記以外にも、外陰がん、膣がん、陰茎がん、上咽頭がん、肛門がんなど、HPV感染との関連が指摘されています。
人生の中で、HPVに感染し、免疫力で排除できず、HPV関連疾患にかかってしまう可能性は、男女問わず全員にあります。

是非、感染リスクを抑えるため、HPVワクチン接種を前向きにご検討下さい。