院長コラム

閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM)のケアと治療

GSMとは、閉経頃から始まる女性ホルモン(エストロゲン)減少に伴う、デリケートゾーンの不快症状や尿もれなどの泌尿器症状をいいます。
症状としては、外陰・膣部の乾燥感、かゆみ、灼熱感、疼痛、ゆるみ感などや、排尿時違和感・尿もれ、性交痛などが挙げられます。
今回は、GSMに対するケアの仕方、薬物療法、レーザー治療について、研修ノート「中高年女性のケア・アップデート」(日本産婦人科医会 令和7年3月)を一部参考にしながら、当院での取り組みを情報共有致します。

外陰部のケア
外陰部や膣壁が化学的・物理的な刺激によって炎症をきたすと、様々な症状がみられるようになります。そのため、いかに日頃からデリケートゾーンを優しく扱うかが大切になります。
①必要以上に洗いすぎない。外陰部専用の洗浄剤を過信しない。
②排尿時は太ももを大きく開くなどして、尿の膣内への流入を防ぐ。
③排尿後、数秒間トイレットペーパーを静かに押し当てて、擦らずに尿を完全に吸い取る。
④温水シャワー便座は、排便後の肛門周囲の洗浄のみに使用し、ビデ機能は使用しない。⑤着衣やパッドなどで膣口を密閉しない。
以上を日頃から心掛けて頂くといいでしょう。

薬物治療
白色ワセリン(プロペト)やアノワジェル(自費)といった保湿剤で皮膚や粘膜を物理的な刺激から保護することが勧められます。
それでも改善しない時には、当院では主にロコイド軟膏など比較的やさしいステロイド外用剤を使用しています。
また、GSMはエストロゲン低下が主な要因であることから、全身的なホルモン補充療法(HRT)をしていない方には、よりマイルドなホルモン剤「エストリール膣錠」を連日または数日ごとに1錠ずつ膣内に挿入することがあります。

レーザー治療「モナリザ・タッチ」
ホルモン剤や外用剤でも改善しない場合は、レーザー治療を行う事があります。
当院では「モナリザ・タッチ」という炭酸ガスレーザーを用いることで、膣内・膣入口部・大陰唇を日焼け状態とし、回復力・再生力を利用して皮下のコラーゲンを増やし、血行を改善させることで、GSM症状を軽快させます。
通常、4週間以上の間隔をあけて2~3回治療することが多いですが、症状が気になる方は、まずは1回施術されることをお勧めします。

GSMは生活の質を下げるものの、人に相談しづらい病気です。
当院では全身的なHRT、エストリール膣錠の挿入・院内処方、モナリザ・タッチによるレーザー治療を行っています。
GSM症状に悩んでいらっしゃる方は、是非一度ご来院下さい。