院長コラム

都立青山高等学校での生涯健康授業(パート1)~女性ホルモンの基礎知識~

先日、私の母校であり、産婦人科校医を務めております都立青山高校の1年生男女を対象に、生涯健康授業を行って参りました。
数年前から「将来の健康的な人生のために高校生の皆さんに知っていて欲しいこと~産婦人科開業医の立場から~」との演題で、二回に分けて動画による授業を行って参りました。
今回の授業では、校長先生、養護教諭の先生方のご尽力により、対面式で直接お話をすることができ、私自身、大きな学びとなりました。
今回のコラムは、“パート1”としてお話した内容の一部を3回に分けて情報共有したいと思います。

生涯における女性ホルモン推移
女性ではエストロゲン、男性ではテストステロンという性ホルモンは、それぞれ8歳頃から増加し始め、10代の思春期で急増し、18∼20歳頃から40∼50歳頃までは高値で安定しています。
その後、男性の場合はテストステロンがゆっくり減少しますが、女性の場合は閉経に向かってエストロゲンが急激に減少します。
ちなみに、男性に比べて女性の方が更年期障害に悩まれる方が多いのは、卵巣機能低下に伴うエストロゲン分泌の急激な減少が主因と思われます。

月経周期に伴う女性ホルモンの推移
女性の場合、月経周期においてもエストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンが大きく変動します。
月経が終わり、卵胞(卵子が入っている袋)が発育すると、卵胞から分泌されるエストロゲンが増加しますが、排卵後、一時的にエストロゲンは低下します。
排卵後の卵胞は黄体という組織に変化し、エストロゲンおよびプロゲステロンを分泌します。排卵後7~10日までホルモン分泌量は上昇しますが、もし、妊娠に至らなければ黄体は退縮し、2つの女性ホルモンともに減少し、子宮内膜が剥がれ落ちて月経が始まります。

二つのホルモンの作用
月経後の卵胞から分泌されるエストロゲンは、子宮内膜を厚くすることで、受精卵が着床しやすいようにします。その他、皮下脂肪を蓄える、骨を丈夫にする等、エストロゲンは全身に様々な作用を発揮します。
一方、排卵後の黄体から分泌されるプロゲステロンには、子宮内膜を妊娠に適した状態に変え、基礎体温を上げる(鶏が卵を温めるように…)作用があります。
また、体に水分を蓄える、腸の動きを抑えるといった作用がある事から、次回の月経前に、むくみ・便秘といった月経前症状をきたす方も少なくありません。