院長コラム

“男性の年齢・生活習慣”も妊娠・出産や子供の健康に影響します

将来の妊娠のための健康管理、いわいるプレコンセプションケアの概念は、若年女性を中心に浸透しつつあります。
ただし、男性のプレコンセプションケアに関する認識は、あまり高くないように思います。
今回は、男性の健康状態や生活習慣が妊娠・出産、あるいは次世代に与える影響について、研修ノート「プレコンセプションケア」(日本産婦人科医会 令和8年1月)を参考にしながら情報共有致します。

父親の年齢が及ぼす影響
母体の年齢が妊娠率・流産率・産科合併症に関与している事は知られていますが、父親の年齢にも注意が必要です。
父親が35歳以上の場合、35歳未満の場合と比べて流産率が高まり、25歳未満の父親と比較して、子供が将来血液悪性腫瘍になるリスクが増加すると言われています。
父親が40歳以上になると、30歳未満と比べて自然妊娠率が30%も低下し、子供の自閉症の発症率リスクが約5倍になるとの報告もあります。
更に45歳以上になると、妊娠後期の死産、早産、低出生体重児(2,500g未満)の頻度や、子供の統合失調症のリスクが上昇するとも言われています。

父親の肥満が及ぼす影響
母体の肥満が妊娠合併症や子供に与える影響は重大ですが、父親の肥満も、精子の質を変化させることで様々な影響を及ぼすことが分かってきました。
妊娠・出産への影響として、早産・低出生体重児・妊娠高血圧腎症のリスクが増加し、生まれた子供が14歳の時点で肥満になってしまうリスクが約3倍になるそうです。

父親の喫煙が及ぼす影響
母親が妊娠中に直接タバコを吸わなくても、父親が喫煙すると、受動喫煙の影響と思われますが、常位胎盤早期剥離という母児の生命にかかわる重大な病気のリスクが上昇します。
また、男性が妊娠前にタバコを吸っていると、精子の数と運動率が低下し、奇形率が増加、さらに早産リスクも増加するそうです。
更に、父親の喫煙により、子供の染色体異常(ダウン症など)が増加する事もいわれています。

男性にとっても女性と同様に、妊娠する前から健康管理を心がける事が大切です。
バランスのとれた食事・適切な運動・良質な睡眠・禁煙や節酒など、心身に健康的な生活習慣を心がけるよう、男性パートナー(あるいは息子さん)にお伝え下さい。

プレコンセプションケアは、女性だけでなく、男性にとっても非常に重要であることを私も広めていきたいと考えております。