院長コラム
産後のお母さんの食生活について
お産という大変な激務を乗り越えてきたお母さんにとって、心身の回復や母乳育児のために、ご自身の食生活を整える事は非常に重要です。
しかし、妊娠中は赤ちゃんの成長や安全なお産に向けて食生活に注意する方でも、分娩後は女性ホルモンの急激な低下や忙しい育児のため、毎日の食事にまで気が回らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、国立成育医療研究センター母性内科作成の資料を参考に、産後の食生活のポイントについて情報共有したいと思います。
- バランスのとれた食事と適切な量
生活習慣の基本になるのがバランスのとれた食事であり、必要な栄養素を摂取することです。
できるだけ、お米などの主食+肉・魚・卵・大豆製品などの主菜+野菜や海藻類などの副菜+お味噌汁などの汁物、そして果物や乳製品の間食などで不足しがちな栄養素を補給することが理想です。
尚、授乳婦さんは母乳を作るためのエネルギーなどを追加する必要があるため、350kcal多く食事をとる必要があります。その場合、甘いお菓子やジュースなどの糖質で増やすのではなく、おにぎりや芋などの炭水化物を間食として摂取されることをお勧めします。
- 塩分の摂り過ぎとビタミン・ミネラル摂取不足に注意
高血圧の予防として塩分の摂り過ぎは避け、食塩は一日6g未満に留める事が目標です。調味料も、香味野菜・香辛料・酢などを利用すると、薄味でも美味しく食べられる様です。
また、妊娠・分娩により鉄欠乏性貧血になる方が多く、積極的に肉・魚・野菜から鉄分を摂取することや、産後の骨量低下への対策として、乳製品を活用することもお勧めです。
尚、骨やメンタルヘルスにとって重要なビタミンDは、カツオ・しらす・鮭・干しシイタケに多く含まれますので、毎日の食事に取り入れましょう。ちなみに、ビタミンDは日光浴により皮膚でも合成されるため、食事と同様に適度なお散歩やウォーキングも大切です。
- 授乳中のアルコール摂取は避ける
アルコールは母乳に移行するため、授乳中のお母さんはお酒を控えるようにしましょう。もし、お酒を飲む機会があった場合は、少量に留め、飲酒から授乳まで2時間以上空けることをお勧めします。
尚、カフェインも母乳に移行するため、一日カフェイン200㎎(コーヒーなら2~3杯程度)が推奨されています。
産後、心身の体調管理をすることは、次の妊娠はもちろん、その後の人生に大きな影響を及ぼします。
産後6~12か月までに妊娠前の体重、できればBMI(体重㎏÷身長m÷身長m)18.5~24.9を目標にすることが勧められています。
そのためにも、ご家族に協力してもらいながら、バランスのとれた食事を心掛けましょう。