院長コラム

残暑の中、早くもインフルエンザ流行の兆し

例年は冬季に流行するインフルエンザですが、すでに都内でも学級閉鎖となった小学校が出てしまい、今シーズンは早い時期からの対策が求められます。
今回は、インフルエンザの予防について説明します。

 

 

インフルエンザの症状

一般的に38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など、全身的な激しい症状が特徴です。免疫力に問題がない患者さんであれば、抗インフルエン薬で治療しなくも、多くの場合1~2週間で自然に治癒します。

しかし、5歳未満の乳幼児・65歳以上の高齢者・慢性呼吸器疾患などに基礎疾患のある方、そして妊婦さんは気管支炎や肺炎といった重篤の合併症を起こし易く、死に至ることもあります。

更に妊婦さんがインフルエンザに感染すると、自然流産、早産、低出生体重児、胎児発育不全、胎児死亡が増加する、という報告もあります。

 

 

重症化予防にはインフルエンザワクチン

インフルエンザの重症化を予防する最も有効な手段は、インフルエンザワクチンです。現在日本で使用されているインフルエンザワクチンは不活化ワクチンと呼ばれているもので、妊婦さんにも接種可能です。

ワクチン接種後、2~3週間経過してから効果が出現し、免疫能は約3~4ヶ月間継続します。そのため、流行シーズンが始まる前に摂取することが理想的であり、例年であれば10~11月でしたが、今年はできれば10月中には接種することが望ましいでしょう。

ちなみに、防腐剤であるエチル水銀(チメロサール)含有の有無については気にしなくても大丈夫です。

 

 

インフルエンザ患者と濃厚接触した妊婦さんは抗インフルエンザ薬の予防的使用を

日本で発売されている抗インフルエンザ薬は、どの妊娠時期であっても、妊婦さんの(授乳婦さんも)使用は可能です。

もし、インフルエンザ患者と濃厚接触した場合は、症状が出る前にリレンザ、タミフル、イナビルといった抗インフルエンザ薬を使用することで、高い確率でインフルエンザを予防することが可能であるといわれています。

もちろん発症してしまった場合は、速やかに(できれば発症から48時間以内に)これらの抗インフルエンザ薬を使用すると、重症化を防ぐことができます。

 

 

当院でのインフルエンザワクチンの入荷は10月以降になります。
もし、職場などで、早めにインフルエンザワクチンを接種できるのであれば、現在妊娠している方も、これから妊娠を考えている方も、是非そのチャンスを逃がさないで下さい。
もちろん予防には、「マスク着用・手洗い・うがい・人混みに近づかない・十分な睡眠」が大事であることをお忘れなく。