院長コラム
尖圭コンジローマもHPVワクチン接種で予防を
尖圭コンジローマは、性器や肛門などに乳頭状あるいは鶏冠(ニワトリのとさか)状の“イボ”をきたす病気です。
ほとんどは性行為によって感染し、その90%はヒトパピローマウイルス(HPV)6型または11型が原因といわれています。
今回は、尖圭コンジローマの治療・予防について、情報共有致します。
治療のメインは“免疫を活性化させるクリーム”
妊婦さん以外の外陰部や肛門周囲にみられる尖圭コンジローマに対しては、治療の第一選択として「ベセルナクリーム5%(イミキモド5%クリーム)」を使用します。1日おきに週3回病変の箇所に塗ることで(就寝前に塗布し、翌朝は丁寧に洗浄)、局所的な免疫力が活性化し、イボがなくなっていきます。ただし、注意点として、臨床的に尖圭コンジローマが消失するまでの中央値は約8週間(原則として治療期間は16週間まで)とも言われ、比較的長期間の根気強い治療が必要です。更に、治療後の再発率は10%程度あり、腟内・子宮腟部や肛門内・直腸内の病変、そして原則として妊婦さんに使用することはできません。
その場合は、切除・レーザー蒸散などの外科的治療を行う事になりますが、外科的治療によってできた傷にHPVが再感染するなどして、約3割の方が再発すると言われています。
尚、当院では腟内の病変の方は高次施設の産婦人科、肛門内の病変の方は外科クリニックへ紹介しています。
何よりHPVワクチン接種で予防することが大事!
また、妊婦さんが産道に尖圭コンジローマが存在したまま経腟分娩すると、赤ちゃんの喉にHPV6型・11型が感染してしまい、将来喉に難治性のイボができて呼吸困難になってしまう恐れがあるため、予防的に分娩は帝王切開になってしまいます。
そのため、感染する前に(できるだけ性交経験前に)HPVワクチンを接種することが勧められています。
子宮頚がん予防として知られるHPVワクチンの主流は4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)ですが、どちらも6型・11型の感染予防が期待できます。
是非、小学校6年生から高校1年生相当の女子が無料で接種できる「定期接種」をご利用頂ければと思います。
尖圭コンジローマは良性疾患ですが、感染者の精神的不安やストレスは非常に強く、生活の質を下げます。
また、将来、帝王切開の可能性を高めてしまう事も予想されます。
海外の報告ではHPVワクチン接種で尖圭コンジローマにかかるリスクが約90%低下すると言われており、女子はもちろん、男子も(自治体によっては無料で接種が可能)、性交経験前のHPVワクチンの接種を是非ご検討下さい。