院長コラム
女性特有のトラブルに用いる代表的な漢方薬3剤
先日、女性の愁訴に用いる事が多い漢方薬についてのセミナーがありました。
それは「当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)」「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」「加味逍遙散(カミショウヨウサン)」の3剤です。
今回は、このセミナーでの学びを中心に、3剤の漢方薬について情報共有したいと思います。
当帰芍薬散は「貧血」と「むくみ」に有効
当帰芍薬散は、貧血の治療を目的とした生薬と、体内水分のアンバランスの解消を目的とした生薬により構成されているそうです。
その結果、「貧血(虚血)」と「むくみ(水毒)」が引き起こす、全身倦怠感・頭痛・めまい・肩こり・動悸といった症状に対する治療効果が期待できます。
反対に、血行を改善する作用をもつ生薬は1種類しかはいっていないため、血液やリンパ液の停滞(お血)に対する治療効果は低いようです。
桂枝茯苓丸は「血液」「リンパ液」の流れをよくする
当帰芍薬散とは反対に、桂枝茯苓丸は血液やリンパ液の流れを整える作用を持つ生薬を中心に成り立っています。
そのため、「お血」が原因の一つと言われる全身倦怠感、月経困難症、腹膜炎、打撲症などに、効果が期待できます。
ちなみに、当帰芍薬散と桂枝茯苓丸を合わせたら、「血虚」「水毒」「お血」の全てにバランスよく対応できると言われています。
加味逍遙散=(当帰芍薬散+桂枝茯苓丸)÷2
実は、加味逍遙散の構成生薬は、当帰芍薬散と桂枝茯苓丸を合わせたもので、「血虚」「水毒」「お血」に対して効果が期待できます。
つまり、加味逍遙散は当帰芍薬散+桂枝茯苓丸のミニチュア版と考えられます。
更に、精神を安定させる生薬も含まれていることから、加味逍遙散は多彩な精神症状を訴える方に有効な漢方薬と思われます。
「虚血」「お血」がみられる方は、それぞれ単独しか見られない方より、両方みられる方が多いと言われています。
当院でも、精神症状をはじめ、様々な症状が認められる方には加味逍遙散を第一選択薬として処方しています。
これからも、患者さんお一人おひとりに適した漢方薬を探し、使用して参ります。