院長コラム

女性のメンタルヘルスと食生活

先日、日本女性心身医学会学術集会に参加しました。
女性の心身のトラブルに関して、学術的な講演だけでなく、実臨床的に有用なお話も伺い、大変勉強になりました。
今回は、個人的に特に興味深かった「メンタルヘルスと食生活」について、情報共有したいと思います。

ビタミンB群・ビタミンDは“心の栄養”
葉酸を含むビタミンB群やビタミンDの不足が、貧血や骨粗しょう症のリスク増加に関係している事は、ご存じの方も多いかも知れません。
もちろん、これらのビタミンは体にとって重要な栄養素ですが、心にとっても必要な栄養素であるとのことです。
葉酸・ビタミンB6・ビタミンB12は様々な脳内の神経伝達物質の生成に不可欠であり、特にビタミンDは“幸せホルモン”と呼ばれる「セロトニン」産生に関係しているそうです。
ちなみに、ある種の抗うつ薬は、セロトニン産生を増加させることで効果を発揮しています。

タンパク質と亜鉛もメンタルヘルスに関連が
タンパク質は様々なアミノ酸から構成されていますが、体内で合成できない必須アミノ酸は、積極的に食物から摂取する必要があります。
中でも「トリプトファン」というアミノ酸は「セロトニン」の材料になるため、うつ病予防のためにもしっかり摂るようにしましょう。
また、味覚異常に関連する亜鉛は、記憶やストレスにも関連しているとのことです。亜鉛は生牡蠣に多く含まれることは知られていますが、苦手な方も少なくありません。
タンパク質を含む食品にも多いとのことですので、魚介類、肉類、大豆製品などから摂取しましょう。

腸の健康が脳の健康に繋がる
腸内には様々な細菌がバランスよく存在し、腸内環境を健康に保っています。
実は、腸内が不健康になってしまうと、認知症などのリスクが高くなるそうです。
腸内を健康にするには、善玉菌のエサになる水溶性食物繊維を摂ることが重要であり、結果的に脳や心の健康に繋がります。
そのため、水溶性食物繊維が豊富な納豆や海藻を日頃に食事に加えることも有用のようです。

メンタルヘルスを良好に保つには、緑黄色野菜、魚介類、肉類、大豆製品など、様々な食材から必要な栄養素をバランスよく摂取することが大切です。
一方で、炭水化物や糖質の摂り過ぎは、メンタルの悪化に繋がるそうです。
落ち込んだり、イライラすると、スイーツを沢山食べたくなるお気持ちは、私も痛い程わかりますが、是非一度立ち止まって、せめて程々に留めることをお勧めします。