院長コラム
女性に多い疾患への対応
最近、性差医療について研究が進み、一般の方々にも「男女でなりやすい病気が異なる」といった考えが広まっている印象があります。
高市政権も、性差に注目した女性の健康推進事業に力を入れており、今後ますます性差医療は発展すると思われます。
今回は「産婦人科の実際 2026年9月号」を参考に、女性がなりやすい代表的な疾患について情報共有致します。
骨粗しょう症
女性ホルモンであるエストロゲンには骨が溶けるのを防ぐ働きがあるため、閉経後はエストロゲンの分泌が低下することで骨が溶けやすくなってしまい、骨量が急速に低下します。
骨量が低値になると閉経後骨粗しょう症となり、大腿骨頸部骨折・脊椎骨折などのリスクが高まるため、骨量を低下させないように予防することが重要です。
そのためには、思春期にできるだけ骨量を増やし、妊娠・授乳に伴うカルシウム不足に注意し、閉経後の骨量減少へ早期に対応する事が重要と考えられています。
甲状腺疾患
甲状腺疾患は男性よりも女性の方が約10倍も多いと言われておりますが、その原因はわかっていないようです。
甲状腺機能亢進症では動悸・発汗・疲労感・不安感・イライラなど、甲状腺機能低下症では疲労感・意欲低下・冷えなどの症状がみられますが、更年期障害と似ているものも少なくありません。
当院では更年期障害と甲状腺疾患を鑑別するために、甲状腺関連のホルモンを検査しています。
うつ病・不安症
女性のうつ病は男性の約2倍の有病率であり、不安症も女性に多い疾患です。
エストロゲンなどの性ホルモンの変動や妊娠・出産・産後・更年期といったライフイベント、家庭や職場における心理社会的ストレスが関与しているようです。
月経前症候群(PMS)、妊娠期・産後の抑うつ、更年期の精神症状などは女性特有であり、産婦人科医としても重要な疾患です。
これらの疾患は、整形外科、内分泌内科、精神科の診察・治療が必要な場合も多いため、当院では他科と連携しながら診療を行っております。
ただし、そもそも何科のクリニックを受診したらいいかがわからない、といったケースも少なくないと思います。
月経周期に関連していそうな症状や、更年期にみられる種々の症状は、女性ホルモンの変化が関与している可能性もあるため、まずは、お近くの産婦人科クリニックへの受診をお勧めします。