院長コラム
低用量ピル服用法の“原則”
月経困難症の治療で用いられる低用量ピルは「低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)」と呼ばれ、様々な種類があります。
それぞれの薬剤は“原則として”添付文書に記載されている用法に従って使用します。
今回は、代表的なLEPの投与方法について情報共有致します。
21日間実薬―7日間休薬
エストロゲン成分が低用量の「フリウェル配合錠LD」、超低用量の「フリウェル配合錠ULD」「ジェミーナ配合錠」などがこれに当たります。
3週間は女性ホルモンの成分が入っている実薬を服用し、出血の有無にかかわらず1週間休薬します。
休薬すると出血がみられ、出血が持続する・しないに関わらず、1週間経過したら次のシートの実薬を飲み始めます。
従来の経口避妊薬(OC)と同じ飲み方で、あえて4週間ごとに月経のように出血を起こさせます。「週単位」で服用・休薬を繰り返すため、飲み忘れが少ない服用方法となります。
24日間実薬―4日間偽薬
エストロゲン成分が超低用量の「ヤーズ配合錠」「ドロエチ配合錠」がこれに当たります。
4週間毎ごとに出血を起こさせる飲み方は“21-7パターン”と同じですが、実薬の休薬期間のトラブルを少なく抑えるため、偽薬服用(事実上の休薬)期間を4日間に短縮しています。
77日間実薬―7日間休薬
「ジェミーナ配合錠」のもう一つの飲み方として、28錠シート2枚と21錠シート1枚、合計77錠の実薬を服用後、7日間休薬する方法があります。
現代女性は昔の女性に比べて、生涯の月経回数が9倍程度増えており、そのことによる様々なトラブルが指摘されています。そのため、最近ではいかに出血の回数を減らすか、が重要なポイントになっております。
“77-7パターン”にすると、約3か月に一回の出血になるため、当院でジェミーナ配合錠を使用する場合は、ほとんどこの服用方法にしています。
120日間実薬―4日間休薬
現在わが国で処方できるLEPの内、「ヤーズフレックス配合錠」のみがこの服用法が可能です。
出血の回数を約4か月に一回に抑える事ができるため、当院で最も多く処方しているLEPです。
尚、ヤーズフレックス配合錠を24日間以上服用している方で、不正出血が多い場合や長引く場合には、状況に応じてあえて4日間だけ休薬することがあります。このようにリセットすることで、出血を切れよく終わらせる事が期待できます。
以上が、各LEPの基本的な服用法となります。
ただし、当院では不正出血などの副作用を軽減させるために、ご本人と相談しながら、あえて添付文書に記載されている用法を少し変えて(医学的に問題のない範囲で)使用することもあります。
とはいっても、あくまでも“変法”であるため、他施設へ転院した場合には認めてもらえない事がある旨、あるいはご本人やご家族が“変法”をご希望されても対応しかねる事がある旨、是非ご承知おき下さい。