院長コラム

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを産婦人科クリニックで接種することのメリット

発がん性の高い(ハイリスク)HPVの感染が子宮頚がんの主な原因であることは、多くの方に知られるようになりました。
そして、HPVワクチン接種が子宮頚がん予防に有用であるとの話も、ある程度広まってきました。
さらに、“定期接種”として小学校6年生から高校1年生相当の女性は無料で接種が可能であり、 “キャッチアップ世代”として1997年4月2日から2008年4月1日生まれの方も令和7年3月までは無料で接種できることも、認識されるようになってきました。
そのような中、HPVワクチン接種可能な小児科、内科のクリニックさんが増えつつあり、令和6年10月から世田谷区でも始まる男子(小学校6年生~高校1年生相当)への接種では、中心的な役割を担われると思われます。
ただし、女性の場合は産婦人科クリニックでの接種がお勧めと考えており、今回はその理由についてお伝えします。

“産婦人科かかりつけ医”を見つけるきっかけになる
若年女性は、月経困難症や月経不順などの婦人科的トラブルに悩まれる方が多い一方、一度も産婦人科を受診したことがない方も少なくありません。
産婦人科の診察を受けることで、病気の早期発見や症状の改善が期待できるにも関わらず、お一人で悩んでしまい、生活の質を下げてしまうのは非常にもったいないことです。恐らく、産婦人科の敷居が高く、受診に躊躇されているのだと思います。
そこで、まずはHPVワクチン接種を目的に、一度お気軽に産婦人科クリニックを受診されることをお勧めします。それがきっかけとなり、ご自分に合った産婦人科かかりつけ医が見つかるかもしれません。

子宮頚がん・尖圭コンジローマについての話が聞ける
女性の場合、HPVワクチンは子宮頚がんの予防のために接種します。
ただし、HPVワクチン接種のみで100%子宮頚がんを予防することはできません。
子宮頚がんの早期発見・早期治療のためには、性交を経験した20歳以上の方は、定期的に子宮頚がん検査(細胞診)を受けて頂くことが必要です。
その他、お伝えしたい子宮頚がんに関するお話はたくさんありますが、他科の先生よりも産婦人科医の方が、詳しく、そしてわかりやすく説明できるのではと思います。
さらに、4価および9価のHPVワクチンは性感染症の一種である尖圭コンジローマの予防効果もあります。子宮頚がんだけでなく、尖圭コンジローマに関するお話ができるのも、産婦人科医ならではと考えています。

ワクチン接種のついでに婦人科トラブルを相談できる
月経困難症、月経前症候群、過多月経、月経不順、無月経、おりものの異常、外陰部のかゆみ、避妊相談など、若年女性の皆さんは、大なり小なり婦人科的なお悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
特に症状が軽い場合、これらの悩みだけでは婦人科を受診しづらい、と考えている方も少なくないでしょう。
そのような方でも、「ワクチン接種のついでに、ちょっと相談してみよう」といった気軽な気持ちで婦人科を受診して頂きたいと思います。

現在、おかかり中の小児科や内科のクリニックがある方の場合、そちらでHPVワクチンを接種頂いても構いません。
ただし、HPVワクチン接種は、“産婦人科かかりつけ医”を見つける、とても大きなチャンスです。
産婦人科クリニックは決して敷居は高くありませんので、是非お気軽にお越し下さい。