院長コラム
タバコとアルコールが“妊娠しやすさ”に与える影響
タバコやアルコールが胎児に害をもたらすことは、広く知られています。
しかし、妊娠する前なら大丈夫でしょう、と考えている方は多いのではないでしょうか。
今回は、「婦人科外来で始める プレコンセプションケア」(南山堂)を参考に、タバコとアルコールが妊娠しやすさに与える影響について、情報共有致します。
タバコが妊娠に与える影響
タバコは卵巣機能を大きく低下させます。卵巣予備能(AMH)やエストロゲンという女性ホルモンの低下を引き起こし、不妊の原因になります。ある報告によると、喫煙者は非喫煙者に比べて、自然妊娠率が30~40%低く、体外受精の成績もよくないようです。
しかも、女性自身がタバコを吸わなくても、パートナーなど同居家族などからの受動喫煙によって、卵巣予備能の低下や妊娠率の低下がみられる様です。
また、受精卵の染色体異常の頻度や、卵管妊娠という子宮外妊娠(異所性妊娠)のリスクが高まる事も知られています。
ちなみに、妊娠中の喫煙によって、妊娠高血圧症候群という母児にとって非常に重篤な合併症のリスクが約3倍高まると、言われています。
アルコールが妊娠に与える影響
アルコールは、脳と卵巣の間で行われるホルモンを介したコミュニケーションに悪影響を与え、排卵障害、月経不順、黄体機能不全といったホルモントラブルを引き起こします。
また、軽度の飲酒であっても妊娠率が低下することや、妊娠前から飲酒習慣のある女性は、妊娠中の飲酒継続リスクが高くなることが知られています。
そして、妊娠中の飲酒により、胎児の奇形や精神発達低下のリスクが高まりますが、残念ながら、妊娠中に安全なアルコール摂取量は知られていません。
ちなみに、男性の喫煙・飲酒も精子に悪影響を及ぼし、受精能の低下や流産率の上昇など、男性不妊に繋がります。
ただし、喫煙・飲酒を中止した場合、男女とも生殖機能が数か月以内に認められるとのことです。
今後妊娠を考えている喫煙・飲酒カップルは、妊活開始の3~6か月前からの禁酒・禁煙を心掛けましょう。