院長コラム

「二つの子宮頚がん予防」の意味

子宮頚がんの主な原因は、数あるヒトパピローマウイルス(HPV)の中でも、発がん性が高い「ハイリスクHPV」が子宮頚部に感染することです。
多くの場合、ハイリスクHPVに感染しても、ご自身の免疫力によってウイルスは外に排出されますが、長い期間にわたり感染が持続した場合、細胞が変化し、将来がん細胞へ進行することがあります。
今回は、2つの子宮頚がん予防についてお話し、それぞれの意味を共有したいと思います。

1次予防:HPVワクチン接種
ハイリスクHPVは性交で感染するため、性交を経験する前にHPVをやっつける“武器”を手に入れることが大切です。
この武器を“抗体”といい、HPVワクチンを接種することで体の中で作られます。
これを一次予防といい、性交経験前に接種することが最も望ましいですが、性交経験後であっても、45歳までであればワクチンの有効性が証明されています。
ちなみに、小学校6年生から高校1年生相当までの女子は、HPVワクチン定期接種として無料で受けられます。

2次予防:子宮頚がん検診
ハイリスクHPVは約14種類ありますが、HPV4価ワクチンでは2つの型、9価ワクチンでは7つの型のHPVに対して効果を発揮します。
つまり、残念ながらすべての型に有効でないため、HPVワクチン接種だけではハイリスクHPVの感染を100%防ぐことはできません。
そこで、2次予防として子宮頚がん検診が必要になります。
これは、子宮頚部の細胞が、前がん病変や早期のがん細胞になる前に見つける方法です。
ちなみに、多くの自治体では20歳以上に女性に対して、2年ごとの子宮頚部細胞診へ助成を行っています。

我が国では、1年間に約10,000人の女性が子宮頚がんと診断され、約2,900人が子宮頚がんによって亡くなっています。
さらに、20歳代後半から30代にかけで子宮頚がんにかかる女性は急増するため、妊娠や出産に重大な影響を及ぼします。“子宮頚がんは予防可能ながん”であることをご理解頂き、積極的にHPVワクチン接種と定期的な子宮頚がん検診を受けるようにしましょう。